Bookso beautiful yet terrific.

 今日は散々だった。狙撃演習の時には強い突風のせいで的に一発も当たらないし、座学では教官が試験範囲の重要な講義している最中に何故か校庭で爆発が起きて肝心のところが聞こえなくなるし、昼食の時にお気に入りのグラタンを注文しようと思えばちょうど私の目の前に並んでいた人で売り切れになるし。
 行き場のない苛立ちを胸の奥に押し込めながら私はズンズンと大股で歩く。それから目的の場所に着き、ノックもそこそこに部屋の中に足を踏み入れた。

「あ?おい、ノックくらいしろよ」

勝手に自室の中に入ってきた私を見てはベルガーが抗議の声を上げる。だけど、私はそんなことお構いなしで勢いよくベルガーの胸に飛び込んでやった。その瞬間、ベルガーがバランスを崩して二人揃ってベッドの上に倒れ込んだ。ベルガーは仰向けで寝転んでは私を見上げ、私はベルガーのお腹の上に馬乗りになって見下ろした。

「お?なんかエロいことすんの?大胆だなあ」

 と、口では言いつつも、ベルガーの目が私を気遣う色を見せた。私は小さく息を吐いては力なく笑った。

「ごめんなさい。ただの八つ当たり。なんか今日一日、思うようにいかなくて」

「どうせそうだろうと思った。すっげー真面目ちゃんのおまえがエロいことするとは思えねーし」

すっと伸びてきたベルガーの両手が私の背中と後頭部にまわされて、そのまま寝転んだベルガーの腕の中に倒される。それと同時に、ベルガーの唇が私の唇を塞いだ。
 唇を離して私と目を合わせたベルガーが楽しそうに笑った。

「仕方ねーから、俺で充電してやるよ。嬉しいだろ?」

「うん。嬉しい。だから、もう一回して」

「え?マジで?やっべーくらい大胆じゃん。やっちゃう?」

「駄目」

「ちぇー」

「ベルガーはさ。私のこと、好き?」

「大好きに決まってんじゃん」

 そして、もう一度唇が重なる。そんな甘い時間に酔いしれながら私は幸せな夢を見るように目を閉じた。

2023.03.01