Bookso beautiful yet terrific.

 オンボロ寮の談話室に設置したカレンダーには、私とグリムそれぞれの予定が書かれている。いや、正しくは、グリムの分の予定も聞き出して私が勝手にカレンダーに記入している。
 さて、様々な予定や誰かの誕生日など、メモ書きやら赤丸などで事細かく書き込まれているそれを見た彼は、大層不思議そうに首を傾げていた。

「人間というのは、僅かばかりの時間しか生きられぬくせに、こんなに忙しなく予定を詰め込むのか。不思議なものだ」

 彼は出した飲み物やお茶菓子に目も向けず、ただカレンダーだけを見つめている。私は、彼がオンボロ寮の談話室にやって来るたびに今述べた言葉を口にするので、特に気にせず客人である彼より先にお茶菓子に手を伸ばした。

「ツノ太郎にとっては僅かな時間だとしても、人間である私にはそれが普通だから気にしたことないなあ」

「こんなに多忙なのにか?」

「テスト期間や、創立記念日とかも予定に書き込んでいるしさ。私が特別多忙ってわけではないよ」

私の言葉に彼が目を丸くさせる。それからもう一度首を傾げたかと思えば、カレンダーのある部分を指差した。

「ゲストルームに招待とあるが?」

彼の問いに私はああと思いながら口を開いた。

「エースとデュースが遊びに来る日だよ」

私の返事を聞いた彼があからさまに眉間に皺を寄せていく。彼は、大層不満そうな顔で言ってのけた。

「相手が誰であっても、談話室には入れないでくれ。いいな?」

「入れないよ。ゲストルームを用意してからは談話室に呼ぶ必要もないし。というか、ツノ太郎ってばいつもそうやって言うんだから」

つい、クスクスと笑ってしまう。そんな私の姿に彼は不満気だったが、やがて彼も頬を緩ませてみせた。

「当たり前だ。何度でも言う。おまえが普段から生活する談話室に足を踏み入れるのを許されるのは、おまえの親しい友人である僕だけだからな」

「勿論。ちゃんと分かってますよ」

 それから彼と談笑しながら、彼が次にオンボロ寮の談話室にやって来る日をカレンダーに書き込んだのだった。

2023.03.04
カレンダー|女監督生受け版ワンドロワンライ