Bookso beautiful yet terrific.

 3月17日のことだった。本日はエンフィールドの記念日ではあるけれど、私は肝心のエンフィールドとはここ最近会っていなかった。3月14日のホワイトデーも、私もエンフィールドも任務で留守にしていた。そのため、お互いお返しをそれぞれの部屋の扉に下げた。
 そんなこんなで任務続きだったのでエンフィールドの記念日パーティーの準備を他の貴銃士達に任せたおかげで無事開催できそうだ。あとは、エンフィールド本人を見つけるだけ。
 私は早速エンフィールドを探しに、まずはエンフィールドの部屋に向かう。コンコンと扉をノックすると、すぐに中からエンフィールドの声が聞こえてきた。

「今日、エンフィールドの記念日パーティーするの。早く談話室においで」

扉の外からそれだけ伝えて、私は扉に背を向ける。しかし、直後に扉が開き、中から伸びてきた手に腕を掴まれてそのまま部屋の中へ引きずり込まれた。

「ああ、僕のマスター。やっとあなたに会えた」

 バタンと扉が閉まるのと同時に、力いっぱいにエンフィールドに抱きしめられた。私はこの数秒の間に起きたことに頭が追いつかず困惑するしかない。

「いや、あの。エンフィールド?」

「マスターも僕に会えて嬉しいんですね」

「え?ちが」

「僕達、想い合ってて幸せです」

ますます、ぎゅうと抱きしめる腕に力を加えてくる。やっと事態に気がついた私は身体を捩ってエンフィールドの胸板を両手で押した。

「いやいやいや!!!離れよう!!!」

「ああ、マスター。照れてますね?愛しい僕に抱きしめられてドキドキしちゃうんですね?分かります、その気持ち!」

「違うってば」

不意に、エンフィールドの抱擁が解かれて、間髪入れずに私の両頬をエンフィールドの両手が包んだ。

「こんなに赤いお顔のくせに、僕に対してドキドキしてないとでも?それは無理がありますよ」

「エンフィールドが近いから!!!」

「では。もっと近づいたら、あなたはどんな表情を僕に見せてくれますか?」

にっこりと、エンフィールドが微笑んだ。いや、違う。この微笑みは爽やかなものではなく、何故だか身の危険を感じるものがあった。

「ほら!記念日パーティー行こうよ!ね?」

「そうですね。せっかくみなさんがご用意してくださったパーティーですし、まずは楽しむことにします」

すっとエンフィールドが離れていったので、私は思いっきり息を吐き出した。だけど、エンフィールドがこれで許してくれるわけがなかった。

「ところで、」

 再び、エンフィールドが私に近づいた。それからクスッと笑って耳打ちしたのだった。

「パーティーが終わったら、僕の部屋に来てくださいね。逃げても無駄ですよ。約束です」

2023.03.17