Bookso beautiful yet terrific.

 3月25日、今日はシャルルヴィルの記念日だ。今頃、ザクロ寮の談話室ではシャルルヴィルの記念日パーティーを開催中だろうなあと思いながら、私は買い出しから戻り士官学校へ急ぐ。すると、正門前に大きなトラックが大量の白百合をパンパンに積めて運搬している姿を見かけた。驚いた私は、思わず足を止める。そんな私の姿を、ちょうど居合わせたスプリングフィールドが見つけて声をかけてきた。

「凄い量の白百合ですよね。これ全部、シャルル兄さん宛だそうです」

「こんなにたくさん?」

「フランスの貴族の方々からの贈り物だって、ジョージが話してるのを聞きました」

私はなるほどと思いながら、贈り主達を頭の中に浮かべた。おそらく、フランス銃達に縁のある貴族の皆様からだろう。やることのスケールが違うなあと思った。

「あ!スフィー!マスター!」

 噂をすれば、シャルルヴィル本人が小走りに私達の元へやって来た。シャルルヴィルは着いて早々、照れくさそうに笑ってみせた。

「こんなにたくさんの白百合をプレゼントしてもらっちゃったんだ。ボク、みんなに記念日を祝ってもらえてすっごく嬉しいよ」

そうやって幸せそうに笑うシャルルヴィルの姿に、私とスプリングフィールドは顔を見合わせる。それから、私とスプリングフィールドも頬を緩ませた。

「僕、談話室に先に行きますね。あ、マスター。これ、持って行きます」

「ありがとう」

スプリングフィールドが私からさっと買い出しの荷物を受け取り、寮に向かって歩いて行く。その背中を見送っていると、トントンと軽く肩を叩かれた。

「そうそう。ボク、欲しいもの見つかったよ」

シャルルヴィルの言葉に私はああと思いながら振り向いた。せっかくの記念日なので、シャルルヴィルに贈り物をしたいので欲しい物を考えておくように言ったのである。

「それじゃあ、パーティーが終わったら一緒に買いに行こう」

「うん!ボクね、君とお揃いの物が欲しいんだ。まだ何にしようか決まってないけど」

 心底楽しそうに話すシャルルヴィルの姿に私も小さく笑ったのだった。

2023.03.25