
Bookso beautiful yet terrific.
これってどうなんだろうと思いながらも、エンフィールドとスナイダーの圧に負けて気がつけば2人とお付き合い(?)するようになってしまった。
「他の奴等のところには行くな。先日、俺に素肌を晒したばかりだろう。まったく、おまえというやつは」
「それ、薔薇の傷をスナイダーに癒やしてもらっただけの話だよね?誤解を招くからやめて」
「照れているんですね?そういえば先日。くたりと力尽きたあなたが、しばらく僕の腕枕で眠ってしまいましたね。かわいい寝顔でしたよ」
「あれは任務の際にあなたの弟が絶対非道を使いまくったせいでしょうよ!やーめーて!」
と、こんな感じであらぬ誤解を招くような言動を所構わず困った兄弟銃にされるので周りの目が痛い。マークスに関しては泣きながら銃を構えてくるし。あの恭遠教官ですら、君達本当に何もしてないよね?と言いたげの目で会うたびに見てくるのでつらい。そういう時は、ライク・ツーに愚痴を聞いてもらっている。ライク・ツーと話すと女子同士の会話って感じがしてホッとする。ライク・ツー本人が聞いたらすっごく怒りそうだけど。
それでも、相変わらず恋がよく分かっていない私だけど、エンフィールドとスナイダーに愛されているのは実感していた。そのうち、私から彼等にたくさんの愛を捧ぐことができる日が来るのだろうか。
だけど、幸せは長く続くものではない。この先、マスターと貴銃士が不必要になれば、私の手に宿る薔薇の傷は消え、貴銃士達も銃本来の姿に戻る。
だから、ある時、エンフィールドとスナイダーに尋ねることにした。
「もしもね。私がマスターではなくなり、エンフィールドとスナイダーも銃に戻る。そうしたら、私もいつかは2人とは違う人間の男性と恋に落ちて、結婚すると思うの」
「は?ありえないな」
「ありえませんよ」
即答だった。というか、質問すらできてない。私は心底意味が分からないと言いたげな兄弟銃に苦笑いが溢れた。
「そもそも。おまえの薔薇の傷がなくなっても俺は俺のままだ。そして、エンフィールドもエンフィールドのままだ。安心しろ」
「仮に、僕達の人間としての姿が消えてしまっても、銃の付喪神としてあなたの元へ居続けますよ」
「そうだ。おまえがわけの分からない何処ぞの馬の骨と結婚なんぞしようものなら、そいつを呪い殺してやろう」
「それは名案だね!僕とスナイダーで彼女を守ってあげないと」
珍しく意気投合する兄弟銃に私は言葉を失った。こっわ!これ、一生結婚できないやつじゃん!?と思いながら。
「ウェディングドレス。憧れてたのになあ」
ついつい。大きな溜息が出る。そんな私に対し、エンフィールドとスナイダーは声を揃えて言ってのけるのだった。
「あなたは僕と結婚するのでご安心を」
「おまえは俺と結婚するから安心しろ」
見た目が違うのに、考え方が根本的に同じ兄弟銃に、もう笑うしかない。
「それじゃあさ。いつか、私の着るウェディングドレスを選んでね」
私の言葉に、当たり前だと言いたげに彼等はそれぞれ笑った。
エンフィールドとスナイダーのおかげで、いつかのことを考えるのがバカらしくなった。
2023.03.29