
Bookso beautiful yet terrific.
無事、高校受験を経て学校へ入学した。徒歩圏内で通える範囲にあった中学校とは違い、学区が広くなった分入学した先の高校へは電車通学のため自宅から少し遠くなる。
というわけで、高校生活1日目を終えた私は、無事に自宅近くの最寄りの駅に着いたところだった。
「時間ぴったりだな。これで俺の仮説は証明された」
改札口を出た瞬間聞こえた声に顔を上げると、そこにはローレンツがドヤ顔で立っていた。
「私が改札口を出る時間まで計算していたんだね」
「当たり前だ。俺にできない証明はない」
何時の電車に乗って帰るとも伝えてないのに、ローレンツはよく私の行動が分かるなあと感心する。色んな意味で。
「さて。帰ろう。今日は君の記念すべき登校1日目だ。俺から君にとっておきの贈り物を用意してある」
「贈り物?嬉しい!どうもありがとう」
「君が好む洋菓子店の苺タルトだ。間違いなく気に入るだろう」
そう言ったローレンツは自信満々に眼鏡のフレームを指で直してみせた。
ちなみに、ローレンツは次の日もそのまた次の日の帰りも改札口で私を待ち伏せていた。これが1か月も続いたので私も流石に心配症のローレンツに頭を抱えた。
2023.04.27