Bookso beautiful yet terrific.

「そ、ソロキャンプ!?っすか!!!!!」

 私の部屋に入ってくるなり、荷造りのために広げておいたキャンプ用品を見たケンタッキーが大層大きな声を上げた。

「うん。そう。今の時期って寒くもないし、昼も真夏に比べれば暑くないから始めてみようと思って」

ケンタッキーに返しながら私は、初心者向けのソロキャンプについて記載された雑誌を眺める。とりあえず必要な物は揃えてみたけど、とにかく素人故に不安要素しかない。それ以上に、新しい体験を前にしてワクワクが止まらないけれど。

「日昼はいいかもしれないっすけど、朝晩は冷えるし、」

「その辺の対策もしないとねえ」

「もう!マスター!真面目に聞いてくださいよお!」

「聞いてるけどさあ」

ケンタッキーに横から色々言われても正直私は準備で忙しいのが本音だ。少しでもキャンプ当日の不安を軽くするためにも私は今ここでしっかりと準備しなければならない。
 不意に、私の視線の先からバサッと音を立てて雑誌が消える。目的の物を失ったせいで私の顔を上げるはめになった。

「ケンタッキーってば。それ返してよ」

「嫌っす!!!」

私の顔の前に、ずいっとケンタッキーの顔が近づいた。ケンタッキーは両頬をぱんぱんに膨らませてから言ってのけたのだった。

「すっげえ心配だからソロキャンプ禁止!!!マスターは、俺と一緒にキャンプに行くんです!!!」

2023.05.03