Bookso beautiful yet terrific.

 今日も、射的場で銃を乱射しては他の貴銃士や恭遠教官を困らせるベルガーの姿を見つけた。周りに取り押さえられそうになったベルガーはあひゃひゃひゃと高笑いしながら軽やかな身のこなしで逃げ回る。その間、銃の乱射はやめない。やがて、恭遠教官の号令がかかり、貴銃士達全員がベルガーに飛び掛かる。ようやく、ベルガーがおとなしくなった。
 その光景を私は教室の窓から座学の教官に気づかれないようにこっそりと眺めていた。本来なら授業に集中しなければならないが、暴れ回っているのがベルガーだと知ればこっちは気が気ではない。しかし、事態が収束したのなら安心して授業に集中できる。私は小さく息を吐いてから黒板に意識を戻すことにした。
 と、思った瞬間、空いた窓から兎が銃を持ったまま軽やかに教室の中へ入り込んだ。これには授業中の教官も生徒達も驚き、私も状況を理解して目を見開いた。

「お!マスターはっけーん!!!」

私を見つけたベルガーが無遠慮につかつかと教室内を闊歩してから、私の目の前にやって来る。それから銃を持っていない方の手を伸ばし私の腕を掴んで引っ張った。

「アウトレイジャーの野郎がまたいっぱい出たってよ!ぶっ放しに行こうぜ!」

あひゃひゃひゃと心底楽しそうに笑いながらベルガーが私をその場に立たせる。教官が何を言っても聞く耳を持たないベルガーは私を連れてさっさと教室の外へ走った。勿論、窓から。

「おいマスター!俺から離れるんじゃねえぞ。俺がおまえを守ってやるからな」

走りながら、何てことないように言ってのけるベルガーに私は言葉を失う。ベルガーに他意はない。
 それでも、私の顔を真っ赤に染めるには十分の言葉だった。

2023.06.10