Bookso beautiful yet terrific.

 闇の鏡の前を通り過ぎようとした時、ちょうど鏡が眩い光を発したところだった。思わず、好奇心に負けてそちらを見ると、そこにはナイトレイブンカレッジの制服ではない他学生が立っていた。

「ここは、」

そう呟いた人物は辺りを見回してから私と目が合う。相手の目は少し驚いたように見開き、私もまた意外な人物との再会に瞬きした。

「君は、あの時の」

「その節はお世話になりました」

「私も色々と世話になったよ。感謝している」

と言いつつも、ロロさんの眉間に皺が深く刻まれたことを私は見逃さなかった。だからと言ってわざわざその話に触れる気は全く無い。
 私はロロさんに近づき、他にこの場に誰かいないのかと見回したけれど、残念ながら教師陣もいなければ生徒もいない。学生長の姿すらなら無い。とりあえず、私は改めてロロさんに向き直るしかなかった。

「あの。ロロさんはどうしてナイトレイブンカレッジへいらしたのですか?」

「来たくて来たわけではない」

如何にも不服そうに言ってのけるロロさんに私は苦笑いが出る。
 ふと、ロロさんが短く咳払いして私に向き直る。それから溜息混じりに告げた。

「いつまでもこの場所で待ちぼうけになるわけにはいかない。すまないが、学園長の元へ君に案内を頼む」

「え?ああ、はい」

「全く。何が交流会だ。人を呼びつけておいて出迎えも無しのくせに」

大層顔を歪みて不満を口にするロロさんの姿に私は曖昧な表情を浮かべるしかなかった。ロロさんも、色々と大変そうだ。だけど。
 せっかく遠くからロロさんが来てくれたのだから、いつもと違ったスペシャルな日になるような予感がして、私はついこっそり笑ったのだった。

2023.10.01
スペシャル|女監督生受け版ワンドロワンライ