
Bookso beautiful yet terrific.
また明日ね!と手を振って帰る彼女の背中を小さくなるまでずっと眺めていた。僕は彼女の友人ではあるが、グリムは彼女にとってただの同居人ではなく家族に近いものなのだろう。だから、帰路を歩く彼女の隣にはグリムの姿もある。
僕は、何とか足を動かして、彼女とは反対側の道を歩いて帰路を歩く。時折、同じ帰り道ならば彼女とずっと一緒に話しながら帰れたのにと、自分でも呆れるくらいのタラレバを考えてしまう。どうせ、明日になればまた彼女に会えるというのに。
寮に戻ってからも、心のどこかでは彼女のことばかり考えていた。明日会ったら何を話そうか、彼女から話しかけてくれたらどう返事をしようか、なんて次の日のことを考えているのだから笑えてくる。しかも、明日の夜になれば、さらに次の日の彼女と何を話したいかを考えているのだから、結局、毎日繰り返してるだけだ。
厄介なのは、これが就寝時間を迎えて、夢の中でも彼女のことを思うのだから、無意識というのは恐ろしい。睡眠はしっかり摂らないと次の日に差し障りある。寝不足のまま彼女の前に現れれば、僕の思考がうまく回らずまともな会話が彼女とできなくなる。そうすれば、貴重な彼女との会話が穴だらけのお粗末な展開を招くだけ。
でも、分かってはいるのに、心は正直で、真夜中にもかかわらず僕は何度も目が覚めた。午前1時、2時、3時、と焦れば焦るほど眠れない。もう一度、頭まで深く布団を被ってはみるけれど、やはり眠れなかった。
現在の時刻は、午前4時を迎えていた。彼女に会えるまで、あと3時間くらいだろうか。
早く、会いたい。
2024.06.16
午前○時|女監督生受け版ワンドロワンライ