Bookso beautiful yet terrific.

 ボードゲーム部の部室で、監督生がカレンダーを見た瞬間に顔を両手で覆いぺたんと床に座り込んだ。

「そんなあ。私、まだ元の世界へ帰れないだなんて」

小さく嗚咽を漏らして涙を流す監督生の姿にアズールは心を痛めた。

「仕方がないですよ。帰り方が見つからないのですから」

アズールも一緒にその場に片膝をついてしゃがみ、そっと監督生の肩を撫でる。それからアズールも監督生が泣く直前に見たカレンダーを見た。もうすぐ9月が終わろうとしている。

「10月まで、あと少しですね」

アズールの言葉を聞いた監督生はさらに泣き出してしまった。

「私、楽しみにしていたのに。10月から大人気刑事ドラマバディが放送開始だ、って。しかも、初代相棒の薫ちゃんが帰ってくるというのに、どうして私はツイステッドワンダーランドにいるの?」

ぼろぼろと涙を流し続ける監督生にアズールは自らの制服のポケットから綺麗に折り畳んだハンカチを取り出し、優しく監督生の手に握らせた。

「さあ、涙を拭いてください。バディならこの世界でも放送されますから心配いりませんよ。ちなみに僕は、二代目花の里の女将推しです」

監督生が顔を上げるとアズールが頬を緩ませながら見つめている。それを見た監督生は涙でぐちゃぐちゃになった顔をアズールのハンカチで拭いてから恥ずかしそうに笑った。

「この世界でも、見逃し配信ありますか?」

「過去のシリーズだって視聴できますよ」

嬉しそうに顔を綻ばせる監督生と優しさに満ちた瞳を監督生に向けるアズールの姿を見ながらイデアは思った。
 ちなみに拙者、科捜研のレディに登場するアミちゃん派ですので。

2022.09.19