Bookso beautiful yet terrific.

 あ。と思いながら廊下を歩く監督生の後ろ姿を見つけた。今日はきちんと授業に出席しなさいとトレイン先生に怒られたので渋々生身の身体を寮から引きずり出したのでイデアの気分は最悪だった。しかし、背筋をぴしりと正して真っ直ぐに前を向いて歩く監督生を見つけたし、しかも一人だ。話しかけやすい。だから、イデアは何も考えずひひひと笑いを噛み締めながら監督生の背後に近づき、肩を叩こうと手を伸ばした。しかし、その瞬間、ぱしっと手首が掴まれる。え?と思った瞬間、イデアの身体は宙を舞い、視界がぐるりと動く。気づけば背中から廊下に叩きつけられていた。

「あ。イデア先輩だったんですね」

監督生の眉が申し訳なさそうに下がる。それからぽかーんと口を開けたまま廊下の上で倒れたままでいるイデアの手を握り、ぐっと力を入れて引っ張った。

「怪我はなさそうでよかったです。すみませんでした」

監督生の顔を凝視したまま困惑するイデアの後ろから明るい声が聞こえた。

「ダメだよ!兄さん!監督生さんの後ろに立ったら」

現れたオルトが監督生と顔を見合わせ、ねー?なんて言い合っている。さて、何処からツッコミを入れればいいのかとイデアは頭を悩ませた。

2022.09.21