
Bookso beautiful yet terrific.
天気が良い日は気分がいい。
朝起きてから自室のカーテンを開けるとあたたかい日差しが室内に入り込んでくる。その日差しに誘われるようについ窓を開けると、残念ながらすっかり寒くなった空気を部屋に招くことになり私は肩を震わせた。やっぱり気分が下がるかなと身勝手なことを思いながら窓を閉めようとした時、寮の入口からスプリングフィールドがバスケット片手に出て行くのに気がついて声をかけた。
「おはよう。スプリングフィールドはこれから任務?」
私に声をかけられた彼はハッとしたようにすぐに私に振り向く。彼は一瞬躊躇うように目線を逸らすけど、再び私に視線を合わせては恥ずかしそうに微笑んでみせた。
「おはようございます、マスター。実は、任務ではありません。これから林檎狩りに行くところなんです」
言葉と共にバスケットを示す彼に私は数回瞬きする。何故林檎狩り?というか、こんなに朝早くから?と疑問が浮かぶがそれを一瞬で打ち消した。何にせよ、彼自身が楽しそうなのだからまあいいかと思うことにした。
「そうなんだ。気をつけて行ってきてね」
「はい」
心底嬉しそうに目尻を下げて返事する彼にかわいいなあと思っちゃう私は悪くないだろう。
せっかく出かけるのに引き止めては悪いと思った私は彼に向かって軽く手を振ってから窓を閉めようと手を動かす。しかし、彼は小さく声を上げてから口籠る。何か言いたげの様子に気がついた私は窓を閉めるのをやめた。
「あ、あの!」
彼は周りをちらりと見回してから私の元へ駆け寄ってくる。
「マスターも一緒に行きませんか?僕と、二人で」
私が聞き返すと彼は顔を真っ赤に染めて俯いてしまう。自惚れかもしれないが、もしかしてデートに誘われたのかな?なんて思ってしまう。
「いいの?誘ってくれて嬉しい!すぐに準備しなきゃ!」
「あ!慌てなくていいですから!」
「お気遣いありがとう。そうだ!寒いから私の部屋に来て待ってて!」
「え!?部屋ですか!?」
言うか早いか私はすぐに窓を閉める。さて、動きやすい服装にしなければとクローゼットを開けた。
「お、女の人の、部屋に入るなんて、」
気合を入れて準備する私は露知らず。彼が先程以上に顔を赤く染めて茹で蛸状態のままその場に突っ立っているなんてことを。
2022.11.24