・カルピンになって冒険
赤月(ふわ〜。よく寝たな〜。なんだか身体も軽いみたい!)
(あ、リョーマ君、おはよう!今日もいい天気だね〜っ。)
(…あれ?なんだか声の調子が変だなぁ。まさか風邪でもひいちゃった?)
リョーマ「ごめん、カルピン。今日は忙しいから遊んであげられないんだ。」
「遊ぶならあいつと…あれ?あいつも出掛けたのか?忙しいヤツ…。」
(スチル)
赤月(うそっ!?私、カルピンになっちゃったの〜っ!?どーしよ〜っっっ!!!!)
リョーマ「あ、カルピン!どこへ行くんだよ!?…ま、いつものことか。」
赤月(うーん。周りの人の態度からも私がカルピンになっちゃったのは間違いないみたいね。)
(どうしよう、これから。驚いて家から飛び出してきちゃったけど…。)
(青学の先輩たちには、こんな姿、見られたくないし…。)
→「不動峰中へ行く」
赤月(そうだ!不動峰中に行ってみようと!)
赤月(たしか不動峰中って、こっちの方だったと思うんだけど…。)
「ほあらーっ!?(うひゃっ!?だ、誰っ?私に触ったの!?)」
杏 「ごめんね。いきなり触ったから驚いちゃったのかな?」
赤月(な〜んだ。杏さんかぁ〜。もしかして他の不動峰の人もいたりしないかな?)
神尾「杏ちゃん。もうすぐコート空くってさ。そろそろ準備したら?あれ?どうしたの、その猫。」
伊武「なんだか生意気そうな顔してるなぁ…。別にどうでもいいけど。」
赤月(ちょっと伊武さん!…って、今、私はカルピンなんだった。)
(でも、もしかして中身が私だから生意気そうに見えるのかも。…う〜、いやだなぁ。)
橘 「何をしている。まだ着替えていなかったのか、杏。」
杏 「うん、今急いで着替えるわ。この子、お願いね、お兄ちゃん。」
橘 「お、おい!…困ったな。おい、お前。ここにいると危ないぞ。こっちに来るんだ。」
赤月(私は不動峰の人たちのひざの上から、みんなが試合をするのをながめていた。)
(みんなの普段の様子を知ることができて面白かったな〜。)
(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
→「聖ルドルフへ行く」
赤月(ルドルフに行ってみようかな。)
赤月(はぁ〜。やっぱりすごいな、ルドルフは。みんな熱心にスクールで練習してる。)
裕太「おい、お前。どこから入って来たんだ?」
赤月「ほあら!(うわっ。不二さん!)」
裕太「まさかお前も観月さんが連れて来た補強組って訳じゃねぇよな。」
観月「んふっ。面白いことを言いますね。そんなこと、あるはずがないでしょう…。」
「しかし、データを取るのは面白そうですね。何かのプレイに活かせるかもしれません。」
赤月「ほあらーっ!?(うそでしょーっ!?)」
「ほあら!ほあらぁ!(観月さんっ。私、猫なんです!ほら、よく見てください!)」
観月「青学の菊丸くんの動きは、まるで猫のようだと思いませんか?んふっ。いい研究ができそうです。」
赤月「ほあら、ほあら、ほあらーっ!(ダメダメダメーッ!)」
「ほあらっ!ほあら、ほあらーっ!(不二さんも言ってください!猫にテニスは無理だって!)」
裕太「そうですか。観月さんが言うなら、そうなのかも…。じゃあ、俺、用意してきます!」
赤月(ガーーンッ!不二さんまで…。こうなったら…逃げるが勝ちよねっ!ごめんなさい!)
赤月(ふぅ。なんとか逃げられたかな。不二さんも観月さんも、冗談が過ぎるよーっ!)
(ルドルフの人たちって、テニスに真面目過ぎるところがあるのかも…。)
(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
→「山吹中へ行く」
赤月(そうだ!山吹中に行ってみよう!)
赤月(あれ?あの後ろ姿は、山吹中の人たちだ…。もう練習終わっちゃったのかな?)
千石「なあ、亜久津。たまには練習帰りに親睦深めるのも悪くないよ〜。一緒にファミレスに行こう!」
亜久津「行きたきゃ勝手に行け。練習に出るだけでも面倒なんだ。これ以上付き合ってられるか。」
赤月(もー、亜久津さんはしょーがないなー。よしっ!ここは私が一肌脱ぎましょう!)
亜久津「…なんだ、この猫は。俺の足を頭で押して来やがって。蹴り飛ばされてーか。」
太一「ダダダダーン!違うです!その猫は亜久津先輩に一緒に行けって言ってるです!」
赤月(さすが太一くん!その通り!亜久津さんには多少強引にいかないとダメなのよね!)
亜久津「あぁっ?そんなワケねーだろ。やっぱファミレスにはお前らだけで行って来い。」
千石「うーん、残念。俺たちと行くのはそんなにイヤ?」
亜久津「足にこんなに猫の毛をつけて食い物の店に入れるかよ。じゃあな。」
赤月(私のせい!?そんなぁ〜。ごめんなさい、亜久津さ〜ん。)
赤月(人間に戻れたら、やっぱり亜久津さんに謝った方がいいのかなぁ…。)
(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
→「氷帝学園へ行く」
赤月(よーっし、氷帝に行ってみよっかな!)
赤月(うわ〜。ここが氷帝学園か〜。改めてみるとスゴイ学校だなぁ〜。)
跡部「どうした、樺地?ん?猫か。珍しいな。」
樺地「ウス。」
忍足「ホンマ珍しいな。こないなとこまで入って来よるなんて。…お前、迷子かいな?」
向日「野良猫じゃなさそうだな。いい毛並みをしてるぜ。」
鳳 「宍戸さんは、猫には興味ないんですか?」
宍戸「家で犬を飼ってるからな。どっちかっつーと、犬だな。」
榊 「なにをしている。もうすぐ練習を始めるぞ。アップを充分にやっておくのを忘れるな!」
赤月(練習の邪魔しちゃ悪いよね。今日のところは帰りまーす。)
赤月(氷帝のみんなには会えたけど、今度は自分のことを考えなきゃ。)
(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
→「立海大付属へ行く」
赤月(せっかくだから、立海大まで行ってみようかな。)
赤月(ふ〜。やっぱり立海大付属までは結構、距離があるなぁ…。)
(なんだろう?こんなところのテニスコートから、歓声が上がるなんて…。)
(休憩がてら、ちょっと見て来ようかな。)
(あっ!真田さんと切原さんだ!どうしてこんなところに?)
切原「まさか真田さんが見てるとは思わなかったな。気付いてたらもっと気合入れたのに。」
真田「悪くない動きだったぞ。今日は調子がいいようだな。」
「我ら立海大付属は、強豪と冠することが誰にも咎められぬ常勝集団…。」
切原「わかってますよ。今日の試合も、見てのとおり勝ちました。これなら問題ないっすよね?」
赤月(そうか…。さっきの歓声は切原さんが勝ったからなのね。)
(たぶん、とてもすごい試合内容に違いないよね。切原さんの一方的なゲームに…。)
(うーん…。なんだか試合したくなっちゃたなぁ…。でも、今の私、猫だし…。)
赤月(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
→「六角中へ行く」
赤月(かなり遠いけど、六角中に行ってみよっと!)
赤月(六角中って海の近くって聞いてたんだけど…。)
(あ!見つけた!佐伯さんと天根さんだ!)
佐伯「あれ?こんなところにいたら濡れちゃうよ。猫って濡れるのが苦手なんじゃなかったっけ?」
天根「濡れた猫が悲鳴をあげた。キャッと!…プッ。」
赤月(うわぁ…。さむぅ。)
佐伯「お腹が減ってるのかな?これから俺たち、魚を獲るんだけど、少し待っていられるかな。」
赤月(天根さんのダジャレをさらりと流す、佐伯さん。…ステキです。)
(でも、お魚はなんとなく遠慮しちゃいます。カルピンって、お魚あんまり好きじゃないのよね。)
佐伯「とりあえず一緒に来るかい?他のみんながなにか食べ物くれるかもよ。」
天根「魚だけど、食べる貝?…ププ。わぁっ、なんだこの猫!急に爪立てて来て…!?」
赤月(このあと、私は六角中のみんなと浜辺で遊んでもらった。うーん、楽しかった!)
(遊んでいるときは忘れていたけど、やっぱり猫のままでいるのは問題だよね。)
(それにしても、どうやったら元の私に戻れるのかな…。困った困った…。)
赤月(ふわぁぁ…。なんだか眠くなってきちゃった。戻る方法を考えるのはあとでもいいよね。)
(いまはもう少しだけ眠ろう…か…な。……すぅすぅ。)