白紙
3/3
夕方・試合後
・私流でいいじゃん
菊丸、海堂、乾、観月、亜久津、向日、真田、佐伯が忠告
☆菊丸
・パートナー時
赤月「今日の試合、なかなかいいかんじだったよね〜。うんうん。」
菊丸「確かに、この試合は、いい感じだったよにゃ〜。」
赤月「ですよね〜。自分でもそう思いますよ!」
菊丸「でも、ちょっと気になることがあるんだよな〜。」
赤月「気になること?」
菊丸「普段の練習と今日の試合、全然動きが違わないか?」
赤月「…え?」
菊丸「練習だけじゃなくて、今日みたいに集中してる時の試合とそうじゃない時の試合も。」
赤月「そうですか?」
菊丸「なんとなく、気分の乗らない時とかは、手を抜いちゃったりしてない?」
赤月「そんなことないです。ちゃんとやってますよ。」
「それに、ほら!こうして試合には勝ってるんですよ?」
「試合に勝ったんだから、細かいことはどうでもいいじゃないですか!」
菊丸「うーん。そうかにゃあ…。」
「そんなこと言ってると、そのうち、でっかい失敗をする気がするけど…。」
赤月「だ、大丈夫です!これが、私流のやり方なんですよ。」
「そ、それじゃ…私は戻りますから。失礼します!」
☆乾
・パートナー時
乾 「やはり、わかっていなかったようだな。」
赤月「乾先輩…。なんですか、わかってないって。」
乾 「お前のプレイには波がありすぎる。普段の練習が欠けている証拠だ。」
赤月「いいじゃないですか。今日はすっごく調子よかったし、試合にも勝ったじゃないですか。」
乾 「…やれやれ。」
「いいか?練習試合と本番は違う。コートの雰囲気も、なにもかも。」
「俺の見たところ、いまのお前が本番で実力を発揮できる可能性は42%…。」
・非パートナー時
乾 「果たしてそうかな?」
赤月「わっ、乾先輩!?観てたんですか、私の試合。」
乾 「もちろん。そして落胆した。」
赤月「どうしてですか!?私、ちゃんと勝ちましたよ?」
乾 「普段から基礎練習をやっておけばもっと楽に勝てたはずだぞ?」
赤月(もう、なんでこんな小言を聞かなくちゃいけないワケ?勝ったんだからいいじゃない。)
「あの、先輩?私、シャワー浴びたいんで失礼します。」
☆亜久津
赤月「選抜の合宿なのに、こんなに勝てちゃうなんてね〜。」
「合宿で強くなったのかなぁ。ていうか、もともと強い?私ってすごーい。」
・非パートナー時
亜久津「ずいぶんと浮かれてるじゃねぇか。そんなに試合に勝ったことが嬉しいのかよ。」
赤月「なんですか、亜久津さんってば。私たちが勝っちゃったのがそんなに羨ましいんですか?」
「大丈夫ですよ〜。次の機会には亜久津さんとペアを組んであげますから。」
亜久津「俺とペアを組んであげるだぁ?どういう意味だ、そりゃあ。」
赤月「私とペアを組めば、選抜の合宿でもちゃーんと勝てるってことですよ。私の活躍で勝たせて…。」
亜久津「調子に乗ってんじゃねぇ!まさか、今日勝ったからって次も勝てると思ってねぇだろうな!」
「いいか、この合宿に来てる連中は自分に足りないところを見つけて、次は絶対に強くなってくるぜ。」
赤月「みんなが強くなる分だけ、私も強くなればいいんですよね。簡単じゃないですか〜。」
亜久津「それが調子に乗ってるっつぅんだよ!甘ぇんだよ、お前の考えは!」
赤月「大丈夫ですよ。現に、こうして試合には全部勝ってる訳なんですし。」
「このまま行けば次も勝てます。心配してくれるのは嬉しいんですけどね〜。」
亜久津「チッ。…いまのお前にはなにを言ってもムダだな。勝手にしろ。」
赤月(変な亜久津さん。いいじゃない、このままでも。)
(そんなに頑張らなくても、私は私のやり方で、こうして強くなってるんだから…。)
(こうして、今日の練習試合は終わった。)
(ちょっとしたイザコザはあったけど試合には全勝してる訳だし、問題ないよね。)
☆向日
・パートナー時
向日「ああ、いい感じだったぜ。文句なしって感じだ。」
赤月「ですよね〜。自分でもそう思いますよ!」
・非パートナー時
向日「試合観てたぜ!今日も文句なしって感じだったな。」
赤月「観ててくれたんですか!ありがとうございます!私もいい内容だったって思います!」
向日「…あのさぁ、ちょっと言わせてもらうぜ。」
「お前、調子に乗りすぎだぜ!あんまりいい気になるなよ!」
赤月「…え?」
向日「お前さ、普段の練習をまじめにやってるって胸張って言えるか?」
「俺から見てるとすげぇ手抜きに見えんだけど。」
赤月「そんなことないですよ。ちゃーんと、やってますって。」
「その証拠に、こうして試合には勝ってるんですよ?」
「これが私のスタイル、私流なんです!」
向日「なんだよ、それ。見ててイラつくんだよ、そういう態度は!」
赤月「だから、結果は出てるんだし、いいじゃないですか。」
「それじゃ、私は戻りますから。失礼します!」
(こうして、後味の悪いまま、今日の練習試合は終わった。)
☆真田
・非パートナー時
真田「…それでいいのか?お前は、自分のプレイに納得できているのか?」
「お前は浮かれ切っているようだが、今日、勝てたのはパートナーのおかげにすぎん!」
赤月「そ、そりゃあそうかもしれませんけど…。」
「でも、私の力も少なからず貢献してるかなーって…。」
真田「…たるんどる。まったくもって、たるんどる。」
赤月「わ、私…たるんでなんかいません!」
「なんでそんなことを言うんですか!?」
真田「わからんのか?自分の胸に手を当ててよく考えてみろ。」
赤月「……。わかりません。わからないですよ!」
真田「ならば、はっきりと言ってやろう。今までの勝ちはマグレ勝ちにすぎん!」
赤月「なっ!?なんでマグレだなんて言い切れるんですか…?」
真田「なぜ言い切れるか、だと?お前は普段の練習において、満足できる成果を上げているのか?」
赤月「そ、それはですね…。確かに練習の成果はイマイチかもしれませんけど…。」
「あっ、そうだ!そうですよ!きっと私って…本番に強いタイプなんですよ。」
「これがたぶん、私のスタイルなんです。言うなれば、私流なんですよ!」
真田「まったく、お前というヤツは…。なにを言ってもムダなようだな。」
赤月(変な真田さん。いいじゃない、このままでも。)
(そんなに頑張らなくても、私は私のやり方で、こうして強くなってるんだから…。)
(こうして、後味の悪いまま、今日の練習試合は終わった。)
・フォロー役
忠告をしてきたキャラと近しい人物がフォローを入れに来る
赤月(うーん…なんかクサクサするし、気分転換しに、散歩がてら飲み物でも買って来よっかな。)
(買い物に行ける)
☆海堂(大石)
赤月(でも、今日の海堂先輩の言い方、アレってないよね…。)
(…ん、あれは!?)
大石「やあ、赤月。昼間はさんざんな言われようだったな。」
赤月「見てたんですか、先輩…。」
大石「あいつも、もう少し言い方を考えてくれるといいんだが…。すまなかったな、赤月。」
赤月「は、はい…。」
大石「元気を出せよ。じゃあ、また明日な!」
赤月(大石先輩…わざわざ、それを言いに…。)
(海堂先輩には自分の気持ちをわかってくれる人がいるからいいけど、私には…。)
(ああ、もうっ!今日は部屋に帰って、寝よ、寝よ!)
☆亜久津(千石)
赤月(でも、今日の亜久津さんの言い方、アレってないよね…。)
「うわっ!だ、誰っ!?」
「千石さんですか〜。驚いたなぁ、もうっ。どうしたんですか、こんな時間に。」
千石「君がヘコんでないか心配でさ。…今日の練習試合、亜久津にボロクソ言われてたみたいだし。」
赤月(千石さん、今日の亜久津さんとのアレ、見てたんだ…。)
千石「亜久津のこと、許してやってね。不器用だから、ついついあんな言い方になっちゃうんだよ。」
赤月「は、はい…。」
千石「元気を出さないと、ラッキーの女神様が逃げちゃうぞ。…じゃあね!」
赤月(千石さん…わざわざ、それを言いに…。)
(亜久津さんには自分の気持ちをわかってくれる人がいるからいいけど、私には…。)
(ああ、もうっ!今日は部屋に帰って、寝よ、寝よ!)
☆向日(鳳)
赤月(でも、今日の向日さんの言い方、アレってないよね…。)
(…ん、あれは!?)
鳳 「赤月さん。今日は…大変だったね。いろいろ言われちゃって。」
赤月「見てたんですか…。」
鳳 「あの人も、もう少し言い方を考えればよかったんだけど。俺から謝るよ、赤月さん。」
赤月「は、はい…。」
鳳 「元気出せよ。じゃあ、また明日な!」
赤月(鳳さん…わざわざ、それを言いに…。)
(向日さんには自分の気持ちをわかってくれる人がいるからいいけど、私には…。)
(ああ、もうっ!今日は部屋に帰って、寝よ、寝よ!)
☆真田(切原)
赤月(でも、今日の真田さんの言い方、アレってないよね…。)
(…ん、あれは!?)
切原「ぃよう、赤月。」
赤月「切原さん?どうしたんですか、こんな時間に。」
切原「真田さんが練習試合後にああ言ったのは、お前のこと、心配してるからなんだぜ。」
赤月「は、はい…。(切原さん、今日の真田さんとのアレ、見てたんだ…。)」
切原「赤月、いつまでも落ち込んでんじゃねぇぞ。…じゃあな!」
赤月(切原さん…わざわざ、それを言いに…。)
(真田さんには自分の気持ちをわかってくれる人がいるからいいけど、私には…。)
(ああ、もうっ!今日は部屋に帰って、寝よ、寝よ!)
3/4
・井の中の蛙
親密度1位のキャラが登場
☆菊丸
試合結果が勝ち
赤月「ちょっとポカもあったけど…勝ったんだし、別にいいよね。これが私流のテニスなんだから。」
菊丸「勝ったって言っても、偶然だろ?運じゃなくて実力だって言うなら、もう1ゲームいってみる?」
赤月「い、いいですよ!本気で行きますからね!」
試合結果が負け
赤月「負けちゃったか。ま、私は女子だし、1年なんだし、負けて当然、だよね。」
「調子の乗らない時だってあるしね。これが私なりのペース、私流のテニスなんだから。」
小鷹「…じゃあ、1年の女子相手なら勝てるんだよね?勝負しようか?」
赤月「え?ど、どうしたの、那美ちゃん。」
菊丸「やればいいじゃん。1年の女子なら、勝てるんだろ?」
赤月「…わかりました。やろうか、那美ちゃん。先輩は審判をお願いします。」
菊丸「ゲームセット!」
赤月「……ま、負けちゃった。(しかも、こんなワンサイドのゲームになるなんて…!)」
(じゃあ、これまで勝ててたのは、いったい、なんなの…?私の力なんて、こんなもんなの?)
菊丸「お前の負けだよん。これで、よくわかっただろ?」
赤月「……。」
菊丸「これが自分のやり方だ、って言って本当はまだまだ出来るのに、サボってた、ってこと。」
赤月(菊丸先輩の言うとおりだ…。グゥの音も出ないよ。私、全然わかってなかった…!)
赤月(あーあ。私って、もうちょっといい感じだったと思ってたのに。)
(私なりのやり方なんて、結局、通用しないのかな…。)
赤月「ふう…。」
(もう、なにもする気が起きないよ。野菜のダンボール箱にでもこもってしょんぼりしよう。)
「……。」
「………。」
「…はっくしゅん!」
菊丸「あれ〜?今、巴の声がしたような…?」
赤月(…もしかして、菊丸先輩?で、でも…出て行きたくないなぁ。)
菊丸「う〜ん、おかしいにゃあ。ははあ…わかったぞ!ここだな!?」
赤月「わわわっ!?」
菊丸「なにやってるんだよ、こんなところに隠れてさ。」
赤月「わ、私…」
菊丸「ああ〜、もう!暗いなぁ!」
赤月「……。」
菊丸「お前には、そんな暗い顔は似合わないぞ。ほら!」
(スチル)
赤月「ひゃひゃひひゅるんひぇふは!?(なにするんですかぁ!?)」
菊丸「ほらほら!笑え笑え〜!」
赤月「ははいはふ、ははいはふはら…はひゃひへふらはひ〜。(笑います、笑いますから…離してください〜。)」
菊丸「うん!巴は、笑顔が一番似合ってるな!」
「もう、暗い顔はしないな?」
赤月「ひゃ、ひゃい。」
菊丸「落ち込んで暗い顔してたってなにもいいコトないんだぞ?そこんとこ、わかるよな?」
赤月「は、はい。」
菊丸「じゃ、また明日から、笑顔で元気に頑張ろうな!テニスは楽しくやるもんだからさ。」
赤月「は、はい!ありがとうございます、菊丸先輩!」
(菊丸先輩…私のこと、気遣ってくれたんだ。)
(菊丸先輩の気遣いに応えるためにも、明日からまた、頑張らないとね!)
☆乾
試合結果が勝ち
赤月「ちょっとポカもあったけど…勝ったんだし、別にいいよね。これが私流のテニスなんだから。」
乾 「…負けないとわからないようだな。」
赤月「い、いいですよ!受けて立ちます!」
試合結果が負け
赤月「負けちゃったか。ま、私は女子だし、1年なんだし、負けて当然、だよね。」
「調子の乗らない時だってあるしね。これが私なりのペース、私流のテニスなんだから。」
小鷹「…じゃあ、1年の女子相手なら勝てるんだよね?勝負しようか?」
赤月「え?ど、どうしたの、那美ちゃん。」
乾 「やればいい。同じ1年同士なら簡単に済むはずだろ?」
赤月「…いいですよ。じっくり見ててください。那美ちゃん、やろう!」
乾 「ゲームセットだ。」
赤月「……ま、負けちゃった。(しかも、こんなワンサイドのゲームになるなんて…!)」
(じゃあ、これまで勝ててたのは、いったい、なんなの…?私の力なんて、こんなもんなの?)
乾 「完敗だな。さて、どうする?」
赤月「……。」
乾 「安定した力が発揮出来ないことを言い訳する前に、自分をもっと鍛えるべきだろう?」
赤月(乾先輩の言うとおりだ…。グゥの音も出ないよ。私、全然わかってなかった…!)
赤月(あーあ。私って、もうちょっといい感じだと思ってたのに。)
(私なりのやり方なんて、結局、通用しないのかな…。)
(でも、だからって急にやり方を変えるなんて…。)
(私なりのテニス…。どうやったら見つけられるの?)
(あああ!わかんないよっ!どうしたらいいの!?)
乾 「巴、ここにいたのか。お前に、ちょっと用がある。俺について来てくれ。」
赤月「えっ?」
赤月「図書室…ですか?」
乾 「考え事をするには、適している。」
赤月「ここじゃあ、私の悩みは解決しませんよっ!」
乾 「しっ!大声を出すと迷惑だぞ?」
赤月「あ…すみません。」
乾 「これは、俺のオススメの本だ。テニスとは直接関係はないが、必ず役に立つ。」
赤月「はぁ…。」
(って、渡されても…。)
乾 「ボールをどう打つかだけがテニスじゃないぞ。相手の心理を読むのも重要だ。」
「そして、自分自身を知ることも、な。」
赤月「なるほど…読んでみます。」
(乾先輩から渡された本は100年も前に書かれたロシアの作家の自伝だった。)
(最初は聞きなれない名前を把握するので精一杯だったけど、次第に引き込まれて…。)
(気がついたら一気に読み終えている私がいた。)
赤月「ふう〜。なんだか、自分の悩みなんか屁みたいに思えてきました。」
乾 「少しは役に立ったようだな。よかった。」
赤月「はい!ありがとうございました!!」
乾 「しーっ!!」
赤月(乾先輩が私を心配してくれてるのがとってもうれしかった。)
(よーっし!明日からはキッチリ練習するぞーっ!)
(生まれ変わった私に乞うご期待だよ、乾先輩!)
☆裕太
試合結果が勝ち
赤月「ちょっとポカもあったけど…勝ったんだし、別にいいよね。これが私流のテニスなんだから。」
「そう、これが私流プレイなんだよ!もう誰だろうと、いつでも来いって感じだよね!」
裕太「なら、俺と勝負しろよ。…もう1ゲームくらい、やれるだろ?」
赤月「い、いいですよ!受けて立ちます!」
試合結果が負け
赤月「負けちゃったか。ま、私は女子だし、1年なんだし、負けて当然、だよね。」
小鷹「…じゃあ、1年の女子相手なら勝てるんだよね?勝負しようか?」
赤月「え?ど、どうしたの、那美ちゃん。」
裕太「…審判やってやるぜ。俺が立会人になる。別にいいだろ?」
赤月「不二さん…。」
「…いいですよ。じっくり見ててください。那美ちゃん、やろう!」
裕太「ゲームセットだ。」
赤月「……ま、負けちゃった。(しかも、こんなワンサイドのゲームになるなんて…!)」
(じゃあ、これまで勝ててたのは、いったい、なんなの…?私の力なんて、こんなもんなの?)
裕太「練習試合に勝てても、お前はまだ基本がなってねぇ。何年もテニスを続けてるヤツには見抜かれるぜ。」
「本番に強くても、それじゃそのうち限界が来る。毎日、練習を積み重ねてる相手に勝てるワケがねぇんだ。」
赤月(不二さんの言うとおりだ…。グゥの音も出ないよ。私、全然わかってなかった…!)
赤月(私なんて…私なんて…。大した技術もないクセに、テングになってただけなんだ。)
赤月(ラケット手にして1年の私が、なにカン違いしてたんだろ…。ブザマすぎて涙も出ないよ。)
(…これが自分のスタイルだなんて思い上がりにもほどがあるよね!)
裕太「おい、巴…。なに閉じこもってんだよ。逃げりゃ、それでいいのかよ?」
赤月「不二さん…女の子の部屋に入るなんて、非常識ですよ…。出て行ってください。」
裕太「早川の許可は取っているし、ドアも開けっ放しだ。はぐらかすのはよせよ。…来い!」
赤月「痛い!不二さん、腕が痛いです!どこに連れてくつもりですか?」
裕太「…いいからついて来い!」
赤月「…練習なんてしたって、今更みんなに追いつけるはずないじゃないですか。」
裕太「そうやって座りこんでたら、追いつけるはずねぇだろ。」
赤月「……。」
(…不二さん。あ、床が揺れてる…。)
(……。すごい振動…。)
(不二さん…こんなに激しい練習を毎日やってるんだ…。)
(毎日…。青学テニス部でも、1年生は基礎から、毎日みんな頑張ってやってた…。)
(こんなにすごい球を打つ不二さんだって、もっと強くなるんだって、コツコツ練習してるんだ…。)
(不二さんが、私のこと怒るのも当然だよ…。私、なに考えてたんだろう!)
「…不二さん!私も、練習します!一緒にやらせてください!」
裕太「おっ、やっとやる気になったか?」
赤月「はい!基礎がどんなに大事か、わかったような気がします。」
裕太「気がする、か。まぁいいか、それでも。やればそのうち嫌でもわかるしな。」
赤月「…はい。」
裕太「でも、今日はもう休めよ。練習試合のあと1ゲームやって、また練習じゃ、身体を壊すぜ。」
赤月「でも、不二さんはやってるのに。」
裕太「お前とは鍛え方が違うぜ。俺がテニス始めて何年経つと思ってるんだ?」
赤月「…あ。(そういえば、何年くらいやってるんだろう…?)」
裕太「覚悟しとけよ。明日から特訓だからな。」
赤月「はいっ!不二さんが特訓してくれるなら、私、頑張っちゃいます!」
赤月(不二さんが私のこと、あんなに気にかけてくれてるなんて今まで気付かなかった…。)
(よし、明日から再出発のつもりで頑張ろう。まずは基本から初めてそれから自分のスタイル作りだ!)
☆向日
試合結果が勝ち
赤月「ちょっとポカもあったけど…勝ったんだし、別にいいよね。これが私流のテニスなんだから。」
向日「お前、いいかげんにしろよ!今から俺と1ゲーム行くぞ。負かしてやるからよ!」
赤月「いいですよ。受けて立ちます!」
試合結果が負け
赤月「負けちゃったか。ま、私は女子だし、1年なんだし、負けて当然、だよね。」
「調子の乗らない時だってあるしね。これが私なりのペース、私流のテニスなんだから。」
小鷹「…じゃあ、1年の女子相手なら勝てるんだよね?勝負しようか?」
赤月「え?ど、どうしたの、那美ちゃん。」
向日「いいじゃねーか。もう1ゲームくらいお前、余裕だろ?」
赤月「…いいですよ。じっくり見ててください。那美ちゃん、やろう!」
「向日さんは審判をお願いします!」
向日「ゲームセットだ。」
赤月「……ま、負けちゃった。(しかも、こんなワンサイドのゲームになるなんて…!)」
(じゃあ、これまで勝ててたのは、いったい、なんなの…?私の力なんて、こんなもんなの?)
向日「あーあ、ボロ負けじゃねぇか。お前、結果が出ねぇときはどうする気だったんだ?」
赤月「……。」
向日「自分流なんて言い訳なんだよ。目の前にぶら下がる、安い勝ちに逃げるのは、もうやめろよな。」
赤月(向日さんの言うとおりだ…。グゥの音も出ないよ。私、全然わかってなかった…!)
赤月(あーあ。私って、もうちょっといい感じだと思ってたのに。)
(私なりのやり方なんて、結局、通用しないのかな…。)
(…そうなんだ。今までの私は、『自分が強い』って思い込んでただけなんだ。)
(私なんて、やっぱり、Jr.選抜なんてほどの実力、なかったんだ。)
(どうしたらいいんだろう。もう、わかんないよっ!)
赤月「…はぁ。」
(もう、出て行きたくないよ。誰にも会いたくないや。)
向日「おい、向日だけど!巴、いるんだろ!?閉じこもってないで出てこいよ。」
赤月(えっ!向日さん!?)
向日「なに意地張って黙ってんだよ!返事しろって!」
赤月「……。」
向日「えーっと、ほら!俺が隠してた取っておきを持って来てやったぜ?」
赤月「……。(取っておきとか言われても…。見える訳ないじゃない。)」
向日「お菓子、好きだろ?色々あるんだぜ〜。侑士からも取って来たしな!」
赤月(お、お菓子!?)
向日「なぁ、出て来いよ。一緒に食おうぜ。」
赤月「お、お菓子で釣るなんて子供じゃないんですから…。」
向日「あっ!よーし、しゃべらせたぜ!俺の勝ちだな!」
赤月「ええっ!?」
「いつのまに勝負になってたんですか!?向日さんには関係ないですよっ。」
向日「なんだとぉ〜!?じゃあ、お前を外に出すまでずーっと話し掛けてやる!」
赤月「なんでそうなるんですか!?」
向日「…どうだよ、けっこう話してるけど、そろそろ出て来る気になったか?」
赤月「……。」
「あの…今日のところは、このままにしておいてくれませんか?」
「明日には、『もう大丈夫だ』って、笑って言えるって約束しますから。」
向日「…わーったよ。明日は元気に出て来いよ!」
赤月「ところで…お菓子持っているのならそこに置いといてくれませんか?」
向日「…なんだ。そんなこと言えんならもう大丈夫なんじゃねーか。」
赤月「はい。気持ちを入れ替えて頑張ります!」
赤月(ドア越しだったけど、向日さんと話したおかげで気分が落ち着いた…。)
(なにより…私を心配してくれてるのがうれしかった。)
(その気持ちに応えるためにも、明日からはキッチリ練習しないとね!)
☆鳳
試合結果が勝ち
赤月「ちょっとポカもあったけど…勝ったんだし、別にいいよね。これが私流のテニスなんだから。」
鳳 「キミは結果だけが必要なのか?…なら、負かしてあげるよ。今から1ゲーム、行けるよね?」
赤月「いいですよ。受けて立ちます!」
試合結果が負け
赤月「負けちゃったか。ま、私は女子だし、1年なんだし、負けて当然、だよね。」
「調子の乗らない時だってあるしね。これが私なりのペース、私流のテニスなんだから。」
小鷹「…じゃあ、1年の女子相手なら勝てるんだよね?勝負しようか?」
赤月「え?ど、どうしたの、那美ちゃん。」
鳳 「試合してあげなよ。もう1ゲームくらい行けるだろ?…俺が審判してあげるから。」
赤月「…いいですよ。じっくり見ててください。那美ちゃん、やろう!」
鳳 「ゲームセット。」
赤月「……ま、負けちゃった。(しかも、こんなワンサイドのゲームになるなんて…!)」
(じゃあ、これまで勝ててたのは、いったい、なんなの…?私の力なんて、こんなもんなの?)
鳳 「キミの完敗だよね?それで、結果が出ない時はどうする気だったんだい?」
赤月「……。」
鳳 「自分流なんて、ただの言い訳だよ。そうやって現実から逃げるのはもうやめて欲しいんだ。」
赤月(鳳さんの言うとおりだ…。グゥの音も出ないよ。私、全然わかってなかった…!)
赤月(あーあ。私って、もうちょっといい感じだと思ってたのに。)
(私なりのやり方なんて、結局、通用しないのかな…。)
(…そうなんだ。今までの私は、『自分が強い』って思い込んでただけなんだ。)
(私なんて、やっぱり、Jr.選抜なんてほどの実力、なかったんだ。)
(どうしたらいいんだろう。もう、わかんないよっ!)
赤月「……。」
(でも、こうして部屋にこもってたって解決にならないよね…。)
(考えだってちっともまとまらないし…。)
鳳 「ねえ、いるんだろ?鳳だけど…出て来てくれないかな?」
赤月「…今、開けます。ちょっと待ってください。」
「なにか用なんですか?」
鳳 「あのさ…差し入れを持って来たんだ。」
赤月「え?」
鳳 「手を出して。」
赤月「は、はあ。…これでいいですか?」
「これって…ラケット?鳳さんのですか?」
鳳 「ああ。差し入れは俺自身ってこと。」
「キミが立ち直れるように、俺のこと、好きなように使ってくれよ。」
赤月「え、ええ!?それってどういう…?」
鳳 「あ、変な意味はないんだ!」
「悩んでるキミに、なにか言うよりも…。」
「思いっきり身体を動かしてみた方がいいんじゃないかと思ってさ。」
赤月「思いっきりテニスをするってことですか?」
鳳 「そう。まずはさ、自分のやり方とかは後回しで、ただ、テニスを楽しもう。」
「他のことでも、俺に出来ることならキミの気が済むまで付き合うよ。」
赤月「鳳さん…!」
赤月(鳳さんとインドアテニス場で打ち合ったあと、おしゃべりを心行くまで楽しんだ。)
(おかげで私の悩みなんかどっかに消えちゃったみたい!)
(鳳さんの気持ちに応えるためにも、明日からの練習は今まで以上に頑張らなくっちゃ!)