Note.

- 2019.Aug.16.Fri - -

「ええ。」
 雪と月あかりの中を、汽車はいっしんに走ってゐました。
 赤い天鵞絨の頭巾をかぶったちひさな子が、毛布につつまれて窓の下の飴色の壁に上手にたてかけられ、まるで寢床に居るやうに、足をこっちにのばしてすやすやと睡ってゐます。
 窓のガラスはすきとほり、外はがらんとして青く明るく見えました。
「まだ八時間あるよ。」
「ええ。」