8話

今回の戦で王騎将軍が亡くなった。そのことは秦国中を驚愕させた

趙国の戦略は見事であった。戦が終わってすぐ駒で戦況を再現して、そう感じたのだ。相手国の参謀はかなりのやり手だ

「また部屋に籠もってたんだ」

蒙恬が生存確認に度々部屋にやってくる。戦のない時は部屋に籠もり一年前の王騎将軍を破った策について研究するか、突っかかってくる相手を倒すかの二択しかなかった

「ああ」

「数日引き篭もってから知らないと思うけど趙国の宰相が来るって」

「…!なぜ、こんな緊迫したときに」

訳を聞くと、趙王が寵愛している男を呂不韋が拉致し、返して欲しくば宰相を連れてこいと言うのだ。そのために駆り出させる王も王だ。宰相に同情する

「暗殺部隊が作られるみたいだけど」

「武力で解決する問題じゃない。呂不韋が上手くやる」

私達の出番はないと予想しこの件に関しての会話は終了した。1畳ほど周りをきれいにしたかと思うと蒙恬はよっこいしょと言いながらそこに雑魚寝をし始めた

「掃除してない」

「気にしないよ、平気」

いや、こっちが気になるんだが。幼いときからそうだ。勝手にやってきて個人のスペースにズカズカと踏み込む。自分のペースを乱されるのが嫌いなのだが、蒙恬は仕方ないというか、もう諦めたというか、複雑な感情だ

自分は好きなことをしようと、軍の策を練るため机に向かう

「あ、名前意外と綺麗な尻じゃん」

なんて、言いながら私の尻を掴んでくるものだからすぐさま背負投で部屋から追い出した。蒙ゴウ将軍の孫だろうが関係ない

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