幸福の時間



「あーっ、やっぱパンっておいしいよな!」

ついさっきまで、大きめのロールパンをもっくもっくと食べていたルッツくんが、嬉しそうにこちらに笑顔を向ける。

「そうだね。ここのパン屋さんのパン、とってもおいしいかも」

「かも、じゃなくておいしいだろー!」

「あはは、ごめんって」

ちょっとしたことでもぷりぷり怒る彼もなんだか子供っぽくて、可愛らしい。食べかけのパンをかじりながらそんな風に思ってしまう。

「あっ!俺のこと、子供みたいだと思っただろ!」

「えぇっ!そんなことないって!」

「嘘つくなよーっ、顔にしっかり出てるんだからな!」

子供扱いするなよな!と、一言念押しする彼。それも含めて可愛らしいけども、流石に顔でバレちゃったかな?なんて思いながら、小さくなったパンを思いっきり頬張る。
最後の一口かもしれないこの一口も、ルッツくんとゆっくり過ごす、時間の終わりなのかもしれない。

彼は急ぎ足で準備をしながら、次の仕事に向けて駆け足で動き回る。
早くしないと置いてっちゃうぞ〜!と急かす彼に、はいはいと軽快に答えつつも、ついさっきまであった二人の時間にふんわりとしたような、幸せな空気をほのかに感じていた。


もともとはSSに投下予定でしたが微妙に文字数が多いためこちらに投下しました ほのぼのかも




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