ふとした瞬間

 なんかこの店クーラー効きすぎじゃない?
 そう言った私にそうか?と首を傾げるのは、いつからか私の隣が定位置になった百之助だ。

「帰ったら俺のであっためてやろうか?」
「そのセリフ、何だかおじさんっぽい。」

 門倉さんっぽいと一言添えると心底嫌そうな顔をした。あいつと一緒にするな、と眉間に皺を寄せながら。
 しかしフードコートで楽しそうに話している大学生くらいの男の子たちと自分を比べたようで、もう俺もアイツらからしたら、おじさんって歳だろう、とちょっと口をへの字にして言った。

「そっか。そんな歳になったんだねぇ。」
「何だよ。」
「感慨深いなぁと思って。」

 こんなに長くいれるなんて思っていなかったから、というと心外だと言わんばかりに繋いでいた手をさらにキツく握った。

「これからも一緒にいてね。」
「当たり前だろ。」

 私も強く握り返すのだった。

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