とある店員さんの話
カランと音を立てて入ってきたのはいつも窓際に座る二人組だった。昔ながらの喫茶店に来るのは長年通ってくれるお爺ちゃん達かこの二人くらいだから顔を覚えるのも早かった。
いらっしゃいませ、とメニューを渡す。
彼女さんは受け取ったメニューを隅々までしっかりと見てからもう一度気になっているメニューのページを開く。
向かいに座っている彼氏さんは、そんな彼女の様子をジッと見つめていた。
彼氏さんは刈り上げてツーブロックにオールバックの髪型と両頬にある大きな傷で独特な雰囲気を醸し出し、少しだけ近寄りがたい。
方や彼女さんはそんな彼氏さんの雰囲気とは正反対の柔らかい、というか全てを包み込んでくれるような温かい雰囲気を持った人だった。
すぐに感情が顔に出てしまうのか、飲み物でも食べ物でも好みの味の時はすごく嬉しそうに食べるし、苦手なモノ、例えばグリーンピースとか、は睨みつけながら食べていた。
一見合わなそうな二人だから初めてやってきた時は何か搾取されているのではないかと心配したものだ。
しかしこうして二人の様子を見ているとそんなことは余計な心配でしかなかった。
「どれとどれで悩んでるんだ?」
「コレとこれ。」
「じゃあ両方頼みゃいいだろ。」
「そんなに食べられないよ?!」
「二人で分ければいいだろうが。」
そんな会話を微笑ましく眺めるのが最近の日課だ。
結局、彼らはナポリタンとオムライスを注文した。飲み物はアイスコーヒーとウインナーコーヒー。
その後も彼らはずっと話していた。というか彼女さんが一方的に話しているのを彼氏さんが聞いているという形だが。
けれど、彼氏さんの目はとても優しく彼女さんのことを見ているし、彼女さんの笑顔もまた眩しかった。
マスターが作った料理を二人で分けながら食べている時は静かな時間が流れたが、二人の周りの空気は暖かかった。
「今日もごちそうさまでした。」
「いえ、ありがとうございました。」
彼女さんは去り際に必ずこうして一言くれる。こういうところで働いているとその一言で救われたりする。
その気持ちよ届け!と願いながら扉の向こうに消えていった二人に深々とお辞儀をする。
顔を上げると二人がそっと手を繋ぎ、商店街の方へ歩いていくのが見えた。
遠目で見にくかったが、彼氏さんの口角が上に上がっていたのは見間違いではないと思う。
私も恋人欲しいなぁ、とボソリと心の声が漏れ出したのは秘密だ。
いらっしゃいませ、とメニューを渡す。
彼女さんは受け取ったメニューを隅々までしっかりと見てからもう一度気になっているメニューのページを開く。
向かいに座っている彼氏さんは、そんな彼女の様子をジッと見つめていた。
彼氏さんは刈り上げてツーブロックにオールバックの髪型と両頬にある大きな傷で独特な雰囲気を醸し出し、少しだけ近寄りがたい。
方や彼女さんはそんな彼氏さんの雰囲気とは正反対の柔らかい、というか全てを包み込んでくれるような温かい雰囲気を持った人だった。
すぐに感情が顔に出てしまうのか、飲み物でも食べ物でも好みの味の時はすごく嬉しそうに食べるし、苦手なモノ、例えばグリーンピースとか、は睨みつけながら食べていた。
一見合わなそうな二人だから初めてやってきた時は何か搾取されているのではないかと心配したものだ。
しかしこうして二人の様子を見ているとそんなことは余計な心配でしかなかった。
「どれとどれで悩んでるんだ?」
「コレとこれ。」
「じゃあ両方頼みゃいいだろ。」
「そんなに食べられないよ?!」
「二人で分ければいいだろうが。」
そんな会話を微笑ましく眺めるのが最近の日課だ。
結局、彼らはナポリタンとオムライスを注文した。飲み物はアイスコーヒーとウインナーコーヒー。
その後も彼らはずっと話していた。というか彼女さんが一方的に話しているのを彼氏さんが聞いているという形だが。
けれど、彼氏さんの目はとても優しく彼女さんのことを見ているし、彼女さんの笑顔もまた眩しかった。
マスターが作った料理を二人で分けながら食べている時は静かな時間が流れたが、二人の周りの空気は暖かかった。
「今日もごちそうさまでした。」
「いえ、ありがとうございました。」
彼女さんは去り際に必ずこうして一言くれる。こういうところで働いているとその一言で救われたりする。
その気持ちよ届け!と願いながら扉の向こうに消えていった二人に深々とお辞儀をする。
顔を上げると二人がそっと手を繋ぎ、商店街の方へ歩いていくのが見えた。
遠目で見にくかったが、彼氏さんの口角が上に上がっていたのは見間違いではないと思う。
私も恋人欲しいなぁ、とボソリと心の声が漏れ出したのは秘密だ。