化けの皮が剥がれる

 ハロウィンでどこもかしこも仮装している人だらけ。かく言う私も友達に誘われてコスプレをする事になった。

「と言うわけで、仮装してくるね。」
「ダメだ」

 尾形から休日の予定を聞かれ、友達と会うからと断った。
 ついでにハロウィンだからコスプレする事も一緒に報告。後から報告すると愚痴愚痴言ってくるのをすでに何回か経験済みの私は、先手を打って伝えたのだが即ダメと言われた。

「えー?何でよ」
「露出度が高いやつだろ?」
「そんな事ないよ。寒いし肌出したくない。」
「じゃあ行かなくても良いだろうが。」
「それはさ、なんて言うかその場のノリ?雰囲気?を楽しみたいというか」

 友達とも合わせて衣装を選んだんだよ、すっごく楽しみにしてるの、とうっすら涙を目に溜めながら訴える。その瞬間、尾形が言葉に詰まらせたのを見逃さなかった。
 私は畳み込むように、遅くまで遊ばないこと、男からの誘いには乗らないことを約束して出掛ける許可を得たのだ。

 といっても可愛くない私が声を掛けられることなんて全く無いし、友達とも21時には分かれる約束をしていたので問題ない。
 ……そう思っていた。



****



「なぁ、俺とした約束は何だったかなぁ」
「え、っと……」

 目を泳がせながら、尾形を見上げる。
 リビングの床に直で正座している私と、ソファに座ってニッコリ笑っている尾形。

 ……力関係はもうお分かりだろう。

 約束を破ろうと思ったわけではない。
 そう言おうと口を開くのだが、尾形の目が笑っていない笑顔を見て、冷や汗が止まらない。

「俺は、男の誘いにのるな、と言った筈だが?」
「……のってないです。」
「の割には楽しそうに話してたなぁ」
「それは友達の知り合いだったので無碍にはできず……、はい。」


 今日約束した場所へ向かうと、すでに友人は到着していた。
 ごめん待った?と謝り、そのまま予めピックアップしていた着替え場所へと移動した。
お揃いでシスターの格好をして、軽く化粧もしなおした。じゃあこれから遊びに行くぞ!となった所でばったり彼女の友人に会ったのだ。

「あれ?偶然ー」
「お前も来てたの!?」
「そう、コイツとね。」

 そうして意気投合した私達は一緒に遊ぶことになったのだ。そんな場面を尾形に見られているとは知らず……。



「で?」
「はい?」
「約束破ったんだからそれ相当のナニかはしてもらわないとなぁ」
「ひぇ」

 ニヤリと笑う尾形にゾクリとして動けずにいると、私を俵抱きをしてベッドルームへと運んでいった。

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