ハッピーバースデー
今年の彼の誕生日は月曜日。
わざわざ呼び出すのは心苦しかったが、どうしてもお祝いをしたかったので無理言ってお店に寄ってもらった。
尾形さんが来て早々、いつもより落ち着きがないと指摘され、すぐさまお祝いすることにした。……嘘をつけない自分が憎い。仕方ないと諦め、私は尾形さんにまずはこう言った。
「お誕生日おめでとうございます。」
まさかお祝いされるとは思っていなかったのか、猫のように目を細めてパチリとひとつ瞬きをし、髪を後ろに撫で付けた。これは最近気づいたのだが、彼の照れている時の動作だ。
ふふふと小さく笑いながら店の奥に引っ込み、冷蔵庫に入れてあったケーキを取り出した。
ガトー・ショコラ。
ちゃんとホールでお祝いをしたくて、四号サイズを作ったのだ。ちょっと粉糖をまぶしかけておしゃれにしてから、生クリームのデコレーションとハッピーバースデイと小さく書いたチョコプレートを飾った。流石に本屋で火を扱うのは怖くて、ロウソクは無しにしたけれど、それでも尾形さんには十分だったようだ。
「これ、俺のために…?」
「もちろん!」
プレゼントは何がいいか分からないから一緒に買いに行きましょう、と言ったらこれで十分だ、なんて返ってきた。
「幸せすぎる誕生日だな。」
「んふふ、安上がり過ぎません?」
「うるせえ。こう言うのは惚れた女から祝ってもらうのがいいんだよ。」
わざわざ呼び出すのは心苦しかったが、どうしてもお祝いをしたかったので無理言ってお店に寄ってもらった。
尾形さんが来て早々、いつもより落ち着きがないと指摘され、すぐさまお祝いすることにした。……嘘をつけない自分が憎い。仕方ないと諦め、私は尾形さんにまずはこう言った。
「お誕生日おめでとうございます。」
まさかお祝いされるとは思っていなかったのか、猫のように目を細めてパチリとひとつ瞬きをし、髪を後ろに撫で付けた。これは最近気づいたのだが、彼の照れている時の動作だ。
ふふふと小さく笑いながら店の奥に引っ込み、冷蔵庫に入れてあったケーキを取り出した。
ガトー・ショコラ。
ちゃんとホールでお祝いをしたくて、四号サイズを作ったのだ。ちょっと粉糖をまぶしかけておしゃれにしてから、生クリームのデコレーションとハッピーバースデイと小さく書いたチョコプレートを飾った。流石に本屋で火を扱うのは怖くて、ロウソクは無しにしたけれど、それでも尾形さんには十分だったようだ。
「これ、俺のために…?」
「もちろん!」
プレゼントは何がいいか分からないから一緒に買いに行きましょう、と言ったらこれで十分だ、なんて返ってきた。
「幸せすぎる誕生日だな。」
「んふふ、安上がり過ぎません?」
「うるせえ。こう言うのは惚れた女から祝ってもらうのがいいんだよ。」