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大人になってからもヤキモチって妬けるもんなんだな、と実感した昨日。
お陰で寝不足気味でデスクでの作業だと寝てしまいそうだ。眠気を抑えるためにコーヒーを入れに行く。
「なんか今日大丈夫っすか?」
コーヒーを入れに行った時、声をかけられたのは隣の部署の杉元くん。
ガタイが良いのに乙女なところがあって可愛らしいものが好き。それに土方さんとも仲が良いようで、顔を合わせれば話すような仲になった。
「大丈夫、大丈夫」
ちょっと面白い海外ドラマを見つけちゃって、なんてそれっぽい言い訳を言うが、杉元くんはそんな嘘見抜いているようで、ひどく心配そうだ。
「アンタ、頑張り屋だから無理しちまうんだろうけど、倒れたら元も子もないないんだからね。」
「杉元くん、いい子だね。」
「よぅ、杉元ぉ」
コーヒーを飲みながら話していたら、背後から聞き覚えのある声がしたので、振り向こうとするとガッと割と強めな力で顔を抑えられ、それは敵わなかった。
「尾形ぁ」
いや、めちゃくちゃガラ悪いな。杉元くん、そんな顔もするのね。
尾形はそんな杉元くんの様子を気にすることなく、話し続ける。
「俺が用があるのはコイツの方だ。残念だがお前とやり合うのはまた今度だ。ほら行くぞ。」
やり合うって何を?と言う突っ込みは置いといて、顔を掴まれていた手はするりと肩へ回され、そのまま尾形の動きに合わせて歩かされた。
「……あいつ、あんな必死な顔出来んのね。」
そんなポツリと呟かれた言葉は私の耳には聞こえなかった。
****
そして、やってきたのは尾形の部署。
私の部署とは異なり、外回りの人も多くいるようで閑散としていた。
「資料作りでこの部分の参考資料が見つからなくてな、お前のところ以前同じような案件やって取り扱ったろ。」
「あー……、これね。ちょっと厄介な所にフォルダあるんだよ。」
ちょっとパソコン借りるね、と席に座らせてもらいカチカチと操作する。
しばらくして目的のものを見つけ、せっかくだからと分かりやすい所にコピペしといてあげた。
「……はい、これ「さっき杉元と何話してた?」
「は?」
屈んで資料を確認するフリをして尾形はわざと耳元で囁くように言う。耳が弱いのを分かってやってるに違いない。
というか、私の知っている尾形はそもそも会社でこんなことをしない。コイツは本当に私が知っている尾形なのかと勢いよく振り向くと、酷く不安そうな顔で私を見ていた。
そんな表情を見たことがなくて、なぜかこっちが悪いことをしたような気になってしまう。
ふーと小さく息を吐き、安心させるように、周りの人から見えないように腕をポンポンと叩き、ひとまず心配しているような事はないと伝える。
「いやー、まさか尾形がヤキモチ妬いてくれるとは。」
「うるせえな。」
実は昨日の私も同じ気持ちだったのとは教えてやらない。
少しぐらいこの優越感に浸っていたい。
尾形のお誕生日まであと残り三日。
お陰で寝不足気味でデスクでの作業だと寝てしまいそうだ。眠気を抑えるためにコーヒーを入れに行く。
「なんか今日大丈夫っすか?」
コーヒーを入れに行った時、声をかけられたのは隣の部署の杉元くん。
ガタイが良いのに乙女なところがあって可愛らしいものが好き。それに土方さんとも仲が良いようで、顔を合わせれば話すような仲になった。
「大丈夫、大丈夫」
ちょっと面白い海外ドラマを見つけちゃって、なんてそれっぽい言い訳を言うが、杉元くんはそんな嘘見抜いているようで、ひどく心配そうだ。
「アンタ、頑張り屋だから無理しちまうんだろうけど、倒れたら元も子もないないんだからね。」
「杉元くん、いい子だね。」
「よぅ、杉元ぉ」
コーヒーを飲みながら話していたら、背後から聞き覚えのある声がしたので、振り向こうとするとガッと割と強めな力で顔を抑えられ、それは敵わなかった。
「尾形ぁ」
いや、めちゃくちゃガラ悪いな。杉元くん、そんな顔もするのね。
尾形はそんな杉元くんの様子を気にすることなく、話し続ける。
「俺が用があるのはコイツの方だ。残念だがお前とやり合うのはまた今度だ。ほら行くぞ。」
やり合うって何を?と言う突っ込みは置いといて、顔を掴まれていた手はするりと肩へ回され、そのまま尾形の動きに合わせて歩かされた。
「……あいつ、あんな必死な顔出来んのね。」
そんなポツリと呟かれた言葉は私の耳には聞こえなかった。
****
そして、やってきたのは尾形の部署。
私の部署とは異なり、外回りの人も多くいるようで閑散としていた。
「資料作りでこの部分の参考資料が見つからなくてな、お前のところ以前同じような案件やって取り扱ったろ。」
「あー……、これね。ちょっと厄介な所にフォルダあるんだよ。」
ちょっとパソコン借りるね、と席に座らせてもらいカチカチと操作する。
しばらくして目的のものを見つけ、せっかくだからと分かりやすい所にコピペしといてあげた。
「……はい、これ「さっき杉元と何話してた?」
「は?」
屈んで資料を確認するフリをして尾形はわざと耳元で囁くように言う。耳が弱いのを分かってやってるに違いない。
というか、私の知っている尾形はそもそも会社でこんなことをしない。コイツは本当に私が知っている尾形なのかと勢いよく振り向くと、酷く不安そうな顔で私を見ていた。
そんな表情を見たことがなくて、なぜかこっちが悪いことをしたような気になってしまう。
ふーと小さく息を吐き、安心させるように、周りの人から見えないように腕をポンポンと叩き、ひとまず心配しているような事はないと伝える。
「いやー、まさか尾形がヤキモチ妬いてくれるとは。」
「うるせえな。」
実は昨日の私も同じ気持ちだったのとは教えてやらない。
少しぐらいこの優越感に浸っていたい。
尾形のお誕生日まであと残り三日。