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昨日は結局一日中ベッドの上で過ごすことになった。
お陰で身体の節々は痛いし、今日の準備なんてろくに出来なかった。
体力の差というものを考えて欲しいと少しの怒りが湧いたが、目が覚めて満足そうな顔で寝ている尾形を見て許してしまう私はなんてチョロいんだろう。
幸いのことに先に目覚めたので、せっかくの誕生日なんだからとトメさんに教えてもらった料理の下拵えをすべく、ベッドからそっと抜け出す。
まずはベトベトな身体を綺麗にしたい。
下に散らばった下着やら服を簡単に身につけた時だった。
「っ……!」
ふいにお腹に力を入れると、さっきまで尾形が入っていたそこからドロっとした液体が出てきた感覚にピクリと反応してしまった。
いつもならキチンと避妊してくれるのに、昨日はそんな余裕がなかった。
後でアフターピルをもらいに行かなきゃな、と思いながらバスルームへ向かった。
****
「うん。美味しい。」
コトコトと煮込んだハンバーグのソースの味見をしている時、尾形がようやく起きてきた。
その頃にはだいぶお日様が高くなっていた。
洗濯物も2回転目の干し作業が終わり、そろそろ起こそうかと考えていた時だった。
「あ、尾形おはよう。」
「……ぉはよ」
寝起きでボサボサ頭だし、無精髭も生えているけれど、少し掠れた声でちゃんと返事してくれる尾形が可愛くて思わず笑ってしまう。
「夜にお祝いしようと思うからブランチは簡単なものでいい?」
そう聞くと、首をカクンと縦に動かして風呂行ってくると一言。その後ろ姿にタオルはいつものところねと伝えてから今から食べる用のご飯に取り掛かる。
といっても簡単なモノだ。
食パンをトースターで焼いて、少しだけ大きめの具材が入ったコンソメスープとサラダを用意する。
スープを温めている時、背後に尾形がやってきて抱きしめられた。
「危ないよ。」
「ん。」
「どうしたの?」
「いいな、こういうの。」
「なにそれ。前からご飯一緒に食べてたじゃん。」
「そうだが……。」
グリグリと頭を肩に押し付けてくる尾形がまるで大きな猫のようで可愛らしい。
「あ、そうだ。尾形お誕生日おめでとう。」
「あぁ」
コンロの火を止めてクルリと向きを変え、少し背伸びしてキスをする。
少しびっくりした顔をした尾形だったが、すぐに口端を上げ、最高な誕生日だと笑った。
「あのね、プレゼントいらないって言ったけど……」
そう言って隠しておいたプレゼント用に買った万年筆を渡す。
あまりの反応のなさに、この間見てたって聞いてと慌てて付け加えると尾形はフッと笑った。
「すまん。びっくりしただけだ。嬉しい。ありがとう。」
言葉こそ少ないが、本当に嬉しそうな尾形にあげて良かった、と心から思う。
しかし、何か忘れているような……。
「あ!」
まだブランチプレートを並べていないことに気付き、慌てて用意する。
そんな様子を見てまた尾形が笑いながら言った。
「もう一つ欲しいもんがある。」
「え?」
私の記憶力が正しければ、欲しいものはないと言っていた筈だが、と頭に疑問符を浮かべていると、尾形がそっと手を取った。
「お前が欲しい。」
何を今更、そう言おうとした瞬間、指に何か違和感を感じ、思わず確認するとそこにはキラリと一粒のダイヤが輝く指輪があった。
「俺と結婚してくれ。」
突然すぎて咄嗟に反応できない。その代わりに目から勝手に涙が出てくる。
「お、おい」
声すらも出すことができなくて、ただコクコクと首を縦に動かすだけ。
「っ……!!」
それでも尾形にはキチンと気持ちが通じたようでキツく抱きしめられた。
「っ幸せにする。」
多分聞こえていないけれど、私も幸せにすると小さな声で誓った。
お陰で身体の節々は痛いし、今日の準備なんてろくに出来なかった。
体力の差というものを考えて欲しいと少しの怒りが湧いたが、目が覚めて満足そうな顔で寝ている尾形を見て許してしまう私はなんてチョロいんだろう。
幸いのことに先に目覚めたので、せっかくの誕生日なんだからとトメさんに教えてもらった料理の下拵えをすべく、ベッドからそっと抜け出す。
まずはベトベトな身体を綺麗にしたい。
下に散らばった下着やら服を簡単に身につけた時だった。
「っ……!」
ふいにお腹に力を入れると、さっきまで尾形が入っていたそこからドロっとした液体が出てきた感覚にピクリと反応してしまった。
いつもならキチンと避妊してくれるのに、昨日はそんな余裕がなかった。
後でアフターピルをもらいに行かなきゃな、と思いながらバスルームへ向かった。
****
「うん。美味しい。」
コトコトと煮込んだハンバーグのソースの味見をしている時、尾形がようやく起きてきた。
その頃にはだいぶお日様が高くなっていた。
洗濯物も2回転目の干し作業が終わり、そろそろ起こそうかと考えていた時だった。
「あ、尾形おはよう。」
「……ぉはよ」
寝起きでボサボサ頭だし、無精髭も生えているけれど、少し掠れた声でちゃんと返事してくれる尾形が可愛くて思わず笑ってしまう。
「夜にお祝いしようと思うからブランチは簡単なものでいい?」
そう聞くと、首をカクンと縦に動かして風呂行ってくると一言。その後ろ姿にタオルはいつものところねと伝えてから今から食べる用のご飯に取り掛かる。
といっても簡単なモノだ。
食パンをトースターで焼いて、少しだけ大きめの具材が入ったコンソメスープとサラダを用意する。
スープを温めている時、背後に尾形がやってきて抱きしめられた。
「危ないよ。」
「ん。」
「どうしたの?」
「いいな、こういうの。」
「なにそれ。前からご飯一緒に食べてたじゃん。」
「そうだが……。」
グリグリと頭を肩に押し付けてくる尾形がまるで大きな猫のようで可愛らしい。
「あ、そうだ。尾形お誕生日おめでとう。」
「あぁ」
コンロの火を止めてクルリと向きを変え、少し背伸びしてキスをする。
少しびっくりした顔をした尾形だったが、すぐに口端を上げ、最高な誕生日だと笑った。
「あのね、プレゼントいらないって言ったけど……」
そう言って隠しておいたプレゼント用に買った万年筆を渡す。
あまりの反応のなさに、この間見てたって聞いてと慌てて付け加えると尾形はフッと笑った。
「すまん。びっくりしただけだ。嬉しい。ありがとう。」
言葉こそ少ないが、本当に嬉しそうな尾形にあげて良かった、と心から思う。
しかし、何か忘れているような……。
「あ!」
まだブランチプレートを並べていないことに気付き、慌てて用意する。
そんな様子を見てまた尾形が笑いながら言った。
「もう一つ欲しいもんがある。」
「え?」
私の記憶力が正しければ、欲しいものはないと言っていた筈だが、と頭に疑問符を浮かべていると、尾形がそっと手を取った。
「お前が欲しい。」
何を今更、そう言おうとした瞬間、指に何か違和感を感じ、思わず確認するとそこにはキラリと一粒のダイヤが輝く指輪があった。
「俺と結婚してくれ。」
突然すぎて咄嗟に反応できない。その代わりに目から勝手に涙が出てくる。
「お、おい」
声すらも出すことができなくて、ただコクコクと首を縦に動かすだけ。
「っ……!!」
それでも尾形にはキチンと気持ちが通じたようでキツく抱きしめられた。
「っ幸せにする。」
多分聞こえていないけれど、私も幸せにすると小さな声で誓った。