結局許しちゃうんだ


物が散乱した部屋、空気は悪いし、ちょっとホコリっぽい。おれが出張で家を空けたのは三日間だけのはずなのだが、これは一体どういうことなのだろうか。
この惨状を引き起こした犯人であるダンデも、この環境の悪さには気づいているらしく、おれの責める視線から逃げるように目を泳がせている。どこから尋ねればいいかわからない。ああ、全部汚く思えてきた。とりあえず足元に乱雑に重ねられていたプラスチックトレーを指さす。

「このゴミは……?」
「あ、作るのが面倒でつい買ってしまって……」

なるほど、食事を作る担当のおれがいないから出来合いのもので済ませたということか。その体つきに合わせれば、確かにこれぐらいの量になっても仕方ないだろう。いやでも分別ぐらいできるでしょ。スマホも持ってるよな?おれと連絡取ってる間にもゴミを増やしてたのか、コノヤロウ。
ざっと部屋を見渡せば、ソファの上にはいつもダンデが着ているチャンピオン専用のユニホームが積み上がっていた。どんだけ持ってるんだよ、洗えよ。

「この服は?」
「洗剤がいっぱいでわからなかった……」

たしかに洗濯担当もおれだが、三日でこんな事になるか?あれ、コイツ二十歳超えてるよな?生活能力が無さすぎるだろ。おれがいないとダメなのはちょっと嬉しいし、色々おれがやりすぎたのが悪いんだろうが、にしてもこれはどうかと思う。おれはため息を吐き、窓を全開にして棚にしまっていたLサイズのゴミ袋を五枚持ってくる。そしてそれを手渡せば、悲しそうに、でも素直に受け取った。

「ダンデが掃除終わらせるまでおれ一言も喋らないから」
「え! そ、それは困るぜ! 早く片付けるから待っててくれ」

慌ててソファに座ったのに、「これはどこに捨てたらいいんだ」なんて質問にすぐ答えてしまって笑われたおれは、とことんダンデに甘い。


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