Toyochika × Palvi


※二次創作!

(afalk) 嘘を吐いた日
星の巡りを見届けるような、諦めと眩しさを抱いて君を見送った。想い出とも呼べないほどの、ごくささやかなよすがだけ残して去ってゆく君が、せめて、私という喪失に傷つくことがなければいい。


ほどけた糸は何色だったか
人と人のあいだには見えない糸があるとどこかで聞いたことがある。それは縁、というものだったらしいが、果たして僕と彼女を繋げるそれの名前はなんなのだろう。もしかしたらそれがないのかもしれないと思うと酷く不安に駆られるから、出来ることならそれに色をつけて可視化して仕舞えばいいのにと思う。

野の鳥は恋を知るか
故郷のことを思い出す時、一番憂鬱なのは結婚だった。父さまや母さまはとても仲が良くて二人を見ていたら結婚もいいな、と思ってしまっていたけれど、今ここにいる私はどこかそれが嫌になっている。素直に人を愛して、笑顔でまみれている友人を見るとなんだか少し羨ましいような気もしていた。私は、否。

迷宮にて君を待つ
自覚してからどれほどの時間が経ったか、正確にはもう覚えていない。僕が彼女を好きになるのはどこか必然だったような気もしている。これはきっと、普通の恋とはまた違う、何か、もっと重いもの。だからこそのめりこんでしまった迷宮はそう簡単に僕を出そうとはしてくれなかった。願わくば君も来ればいいのに。

運命は二つあった
運命は二つあった。僕がこの学園に来た必然と、彼女がこの学園に来た偶然だ。もしこの時代に僕が生まれていなければこの運命はどこにもなかった。僕は信じている。それでも、いや、これを傲慢というのは知っているけれど、あともう一つの運命を望んではいけないだろうか。それが偶然でも必然でも構わない。

お前だけを愛と呼ぼうか
僕は何も知らなかったから、初めて恋という感情を知ったのも彼女のおかげだった。なんというか、これを君に伝えるのはどうにも恥ずかしいけれど、僕の愛は君でしかないのだ。きっとこれは君に伝えることはないのだろうけど、それでも、少しでも伝わっていればいいと思う。……いや、やっぱり恥ずかしいけれど。

途中までは恋物語
彼が抱いて来れている感情の名前を、知っているようで知らないふりをしているのは私のわがままだ。それでいて彼を手放そうとしないのも私のわがまま。ずるい人だと自分でも思う。ごめんね、どれほど謝っても許されないかもしれない。ここまでのお話を感情の名前にするなら、この先はどうしよう。

再会で終わる物語
「豊哉くん、二人死んだらどうしようか」「演技でもない話、するなよ」「もしもの話だよ。いや、いつかの話かな」「わからない」「私はね、二人でまた生まれ変わって、今度は出来るなら同じくらいの寿命で、また一緒にこうしていられたらいいと思うよ」「……そうだな」なんでもない日の午後、いつかの終焉を望む。

ここが舞台であるあいだ
中庭に出て、ふと振り返る。テーテントイフェルという学園都市はにべもなくそこに佇んでいた。私たちが少なくとも五年間を過ごす場所。それは種族によって一瞬であったり、永遠であったりする。私にはどうなるんだろう。ここで何を得て何を失うんだろう。それでも、ここにいる間は幸せでいられるといい。

さよならしても強くならない
「さよならなんて言って欲しくない。豊哉くんがいなくなる理由が仕方の無いものなら私は受け入れるよ、でも、それでも戻って来て欲しいの。どこにも行くななんて言わないから、どんなに時間がかかってもいいから、去り際の言葉は絶対またねにして」いくつめかわからないほどの私のわがままは宙に溶ける。

外套も脱がないうちに
よかった。腕の中で小さく呟いた彼女の声が耳に届いた。討伐依頼、決して危険すぎるものではなかったが、それでも僕の失敗は彼女の耳にも届いてしまっていたらしい。心配かけてごめん、と素直に言えたらいいのに、彼女が近いというだけで心臓や頭は余計なことまで考える。「パルヴィ、せめて上着は脱がせてくれ」

目を開けたら嘘をつかなきゃ
夢を見た。彼女と愛し合う夢だった。夢の中の僕はひどく大胆で男らしく、彼女をちゃんと扱っていたのに。まどろみの中で僕は彼女の名前を呼んだような気がするが、果たしてそれは彼女に聞かれてしまっていただろうか。目を覚ましたら彼女にどう説明しよう、と焦っても意識は自然と覚醒するものだった。

われわれが衛星を失う日
今日、一つの星が消えた。ぼんやりとしていたらきっと見逃してしまうほどにそれはささやかで、でも無くなってしまったら心にぽっかりと穴が空いてしまうようなものであることはわかっていた。消えないでと願っても、運命には逆らえない。無邪気な運命の前で私たちはあまりにも無力だった。

一枚だけくすねた寫眞
彼女に何も言わず、ただ持ち帰ってしまったこの写真をどうすべきかずっと考えあぐねいていた、そんな青春の日々はもはや遠く。結局返せずじまいだった写真は今も尚、在りし日の彼女の横顔を写したまま手のひらの上にあった。彼女の呼び声に慌ててそれを机の中に隠し、部屋を出る。

硝子の靴は拾わない
自分でもずるいとはわかっている。揚げ紐を渡し終えて何か為し終えた気になっているけれど、実際には何も始まっていない。ただの自己満足でしか無いことに気づいてはいるのに。お姫様が靴を忘れて、そのまま逃げてしまったように、きっと私も彼に思い出だけ渡して逃げ出してしまうのだと思う。