感情

メメロ作品
アルミリア




「メメロ……」
 青紫色、と評しておそらく問題ないであろう、資料に映されたメメロの写真を見る。何度か厨房らしきところで見たことはあるが、実際に魔物ととして探せと言われるとなんとも複雑なものを感じる。
「アルねぇね!」
 独特な呼び方で声をかけられて振り返ると、そこには案の定ユールヒェン・ハーゼがいた。
「ねぇねもメメロさん、捕まえるの?」
「ええ。そのつもりです」
 小さな体をひょこひょこと動かしてこちらを見上げる彼女は可愛らしい。
「ユールさんはもう終えられたのですね」
 彼女の少し薄紫色になっている髪色を見て言うと、彼女は元気よく頷いた。
「じぃじに手伝ってもらったの!」
「それはよかったです。どのあたりに多くいたか、ご存知ですか?」
 じぃじは誰のことかはわからないが、ユールはとても嬉しそうに笑っていた。しばらく考えているそぶりを見せたユールが、申し訳なさそうな表情をこちらに見せた。
「ごめんなさいなの。じぃじがたくさん集めてくれたから……」
「いえ、いいんですよ。自分で探します」
 ふわ、とあくびをしたユールはよく見ればだいぶ眠そうだった。わざわざ声をかけてくれたことに思わず嬉しくなる。
「たくさんメメロの感情を食べたのですね」
「でもまだお腹空いてるの……」
「それでしたら、少しですが私の感情を食べますか?」
 ユールの頭に手を乗せると少し迷ったように視線を揺らした。自分の中から感情がなくなっていくのがわかる。ユールへの愛情が少しずつ吸い取られていく。無感動になった心でそっとユールの頭から手を離しその場を離れた。ありがとうなの! と言う彼女の声が背中に降りかかった。
 そうだ、メメロ。メメロを探さなくてはならないのだ。学園のいたるところにいるらしいが、すでに学園のなかは探している生徒たちで埋め尽くされている。少し離れたところに行かないと厳しいかもしれない。


テトイ メメロ討伐作品01
ユールヒェンちゃん( @Na_zak1 )お借りしました!
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