「なんですか……これは……」
空にそびえた馬のような魔物がバチバチと音を立てて雷を降らす。わけのわからないまま私は、強化魔法を施した。
「データスキャン、開始……強化魔法、発動します!」
*
「私もご一緒させてくださいませんか」
聖女のような格好をした雰囲気の違う生徒が突如現れた。彼女の魔力はここにいる生徒たちとは明らかに違う。噂に聞くウィバオ、というクラスの生徒だろう。恍惚に微笑むその姿は目の前の魔物を恐れているわけでもなく、ただただ楽しそうだった。
彼女が黒いものを浮上させる。
「……影?」
私たちの姿を地に写すもの。ゆっくりと蠢いて空中に形作ったそれは魔物めがけて一直線に線を描いて突撃した。
「っ、ダニヤさん、タタさん!」
彼女の攻撃で一瞬ひるんだ馬の魔物が体勢を崩す。あっけにとられていた二人に声をかけると、ハッとしたように二人は動き出した。
「そこの、ウィバオのあなた」
「あら、なにかしら」
「お名前を伺っていませんでした」
薄ら笑いから表情を変えない彼女が少し笑みを強くする。完全に信頼したわけではに。しかし敵の敵は味方。あの魔物に攻撃をしたことで、魔物の敵であることは確証した。彼女をその点において信頼することは可能であると判断する。
ダニヤが足場を作り、タタがそれを駆け上がって巨大な拳を出す。
「ムルムスよ」
直撃したそれは馬の体を文字通り、割った。
「やった……!」
ダニヤが小さく歓喜の声をあげる。私もふと安堵の声を漏らした。
「お疲れ様でした、ダニヤさん、タタさん、そして……ムルムスさん」
一息ついた彼らの視線がなんとなしに一点に集まる。誰もが終わったと思っているはずだった。
それが出現するのと、音を聞くのはほぼ同時だ。ピカッと空がひときわ大きく光る。
「アル!」
その声を出したのは誰だったか。私はただただ動けなかった。先ほどまでの馬から姿を変えた魔物が、攻撃を開始する。怖いのではない。驚いていただけだ。耳に入るのは、誰かがかけてくる音だけで。
「よ、け……!」
目の前に立ちはだかった、獣の姿がやけに大きく見えて、私は瞬きをすることができなかった。
「ダニヤさん!」
ワンテンポおいて発せられた私の声はもう、手遅れにすぎない。
獣機戦隊フレンジャー
ダニヤちゃん( @konkuwa )
タタくん( @semiAAA01 )
ムルムスさん( @tencha_tr )