「あの……大丈夫、ですか?」
最悪だ。
私のなかで初めてに近いくらいその感情が膨れ上がる。逃げ出したい。否、今ここで戦うべきではない。魔力が……それよりも体力が、まともに追いつかなくなる。
フェオルと名乗った生徒が心配そうに私の顔を覗き込む。もう、敵は目の前にいるのだ。逃げ出すことなど許されない。
「データスキャン、開始します」
彼女の質問には答えずに、私は魔力を解放した。今前線に向かっている生徒が少しでも戦いやすいように。
一人はアッカの生徒だった。データによるとバルディッシュと呼ばれている、体と同じくらいの大きさの武器を構えて前だけを見据えている。あの人によく似た瞳を私は覚えているような気がした。
一人はおそらくクローの生徒である。ほんの少し焦りを醸し出しながら、それでも顔の笑みは絶やさない。閃光のごとき炎が彼の手から生まれ、それは大きく形を作っていく。
一人は他の二人よりも少し大きい。毛量の多い赤髪が揺れている。手には彼の武器であろう、レイピアを持ち、厳しい表情をエクスピアシオンに向けていた。
「フェオル、と言いましたね」
「あ……はい。無理はしないでくださいね」
「もちろん、大丈夫です。弱体の方、よろしくお願いします」
彼女は少し大きなメガネの奥から不安げな瞳を見せながらコクリと頷いた。正直なところ、少し不安は残るがそれでも信じるしかない。……いや、この状況において私を気遣えるのだから、それならきっと大丈夫だろう。
大きなメガネを頭においたクローの生徒が見たことのない武器のようなものを持ちながらほんの少し前に出た。魔力が高揚する。彼女の手をあてた場所から土がぶわっと沸き起こり、エクスピアシオンめがけて飛んだ。傷跡のある顔が何かに耐えるかのように歪む。痛みだろうか?
「……っ」
彼女の動きを少しでも和らげようと次の魔法を打ち出そうとした時、体を経験したこともない痛みが走った。警告音が頭の中で鳴る。これ以上私は動けない。
「無理しないで。もう動かなくていい、あとはどうにかするよ」
空色、そして桃色の髪が目の前で揺れる。彼女の手からは泡が溢れ出ていた。騒音鳴り響くこの世界で、彼女の声がはっきりと耳に伝わってくる。まだできます、と強がろうとして、やめた。
「ありがとうございます」
その場にいる生徒たちの攻撃がエクスピアシオンに集約されて行く。
「あとは、頼みました」
もう次の手を用意していた彼女に、私の声は聞こえただろうか。
チーム:Jager
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