剣も盾もかまえはしないけど
ハロー、ガラル地方!
長い間飛行機に乗っていた後に体を動かすと全身からバキバキと音がする。
幾度も飛行機に乗ることはあれど、なかなか身体は慣れないものだ。
シュートシティの空港から出ると、太陽の光がさしていて、とても眩しかった。
「ガラル地方、とうちゃ〜く!」
長旅は疲れたね、と腰につけたモンスターボールを撫でる。答えるようにボールはかたかた揺れた。
ひとつしかないモンスターボールに少しだけ寂しくなる。この子だけ連れていこうと決めたのは自分だけれど、以前までは6個のモンスターボールを身につけていたのだ。
慣れない、少し空いた隙間。ガラルで新しく出会うポケモンたちのために空けたもの。
ジムチャレンジを終えた時にはきっと、この隙間は埋まっているのだろう。
「シュートシティ、こんな大きかったっけ?」
私がガラルにいたのは数年前のこと。当時からローズさんは様々な開発を行っていたけれど、どうやらその開発は成功したようだった。まあ、私はこのシュートシティの姿を前から見知っていたのだけど。変化にはあらためて驚いてしまった。
シュートシティは勿論、ワイルドエリアを横切る電車とか。昔は空飛ぶタクシーかワイルドエリアをつっきるか以外に、移動方法が少なくて、後者は危険だった。
「でっかいスクリーンまでビルについてるよ……。あっ、ダンデさんとリザードンだ」
前とは違うシュートシティに思わず気分が上がり、見渡せばでかでかと目に飛び込んできたスクリーンに映る赤いマント、褐色の肌、夕焼けのような紫の髪、蜂蜜色の瞳、チャンピオンのダンデさん。そして横に佇むのは彼の相棒のリザードン。
かたかたかたかた!
先程よりも強くボールが揺れた。
ダンデさんも、彼のリザードンも、私たちにとってある意味特別な存在だから。
「当たり前だけど、前よりずっと強くなってそうだね。……うん、ジムチャレンジ、頑張ろうね」
未だ揺れるボールに囁く。
目指すはジムチャレンジ開催式が行われるエンジンシティ!……の前に。
まずはポケモン図鑑のバージョンアップしてもらわなくちゃ。往くぞ、マグノリア博士の元へ!
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