そんな世界
「ねえ、兄上。」
「何や？」
「此の世に、永遠は、あるんでしょうか。」
「さあ、無いやろなぁ。」
「貴方をずっと、死んだ其の後も愛して居たら、其れは永遠ですか…？」
「時一が永遠や思うんやったら、永遠違う？」
「そう、なら、永遠は存在するんですね。此の世では無い何処かに。」
「うちは、此の世に居る限り、時一の物や。心配せんとええ。」
「此の世だけ？」
「せや、此の世だけ。死んだら、忘れる。来世も、無い。うちに永遠は無いわ。」
「僕にはあるのに。寂しい。」
「前世で出会って来世で結ばれる為に現世がある、て聞いた事あるで。詰まり、其れが永遠の終わり。」
「今、ですか。」
「そう。せやから、永遠ちゅうもんは永遠には無いで。来世は犬かな、うち。」
「なら、今を永遠にしましょう。」
「如何やって。」
「一緒に死ぬんです。」
自殺した魂は、途轍も無い業に依って輪廻しない。
君はそう云う。
だから永遠。
そうとも云う。
「もう少し、結ばれた現世を楽しんだらな。」
「はい、僕ももう少し、楽しみたいです。貴方の全てを知ったら、永遠を見ましょう。今の所、三割かな。」
「長いなぁ。」
「永遠を見たら、如何します？」
「悲観する。」
君が死んだら、僕も死ぬよ。
だって、其れが、君が求める君の云う永遠何だろう。
僕は永遠等、求めちゃ居ない。今見る其れが全てなのだけれど、君は違うのだろう？
だったら良いさ、付き合おう。
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