ワタクシ滅法嫌われ者


最初ワタクシを嫌う人間は木島さん唯一人でした。ワタクシも木島さんが嫌いでしたので、構いませんでした。
いえ、ワタクシは、誰一人として好きな人間は居りませんでした。かと云って、自分を好きな訳でもありませんでした。
ワタクシは、此の世界全てが、大嫌いなのです。
尊敬される事はあっても、愛される事はありません。
ワタクシを嫌う人間は、必ず誰かに愛されて居る。
ワタクシを好きな人間は、必ず一人で居る。
木島さんは、無理に一人で居た。だからワタクシを嫌った。
一人で居る孤独に木島さんは耐え切れず、何食わぬ顔で一人で居るワタクシを嫌う。
証拠にほら、琥珀を愛し始めたワタクシに、木島さんは少し優しさを教えて下さった。
ワタクシは、作られた完璧な代物で無ければなりません。
ワタクシの表面に魅入られた人間は、内面を見て逃げるのです。
ですからワタクシは、何時迄経っても、一人の嫌われ者なのです。
木島さんは孤独で、ワタクシは一人。元来ワタクシの方が孤独となるのでしょうが、ワタクシは木島さんの様に苦痛は一切無いので、一人なのです。
しかし、今は孤独です。
味方が居ない事が、怖くて堪らないのです。
ワタクシとて、誰かに愛されたいのです。




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