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いつものように睡眠剤を掻き込む。通常は五錠だが、倍の十錠飲み込んだ。だんだん四肢の力が抜けて行き、耐え難い眠気に襲われる。やっと眠れる……
急に頭が覚醒して、手が震え、内臓を瞬間的に凍らせられたかと思うくらい喉が冷える。「ああ、吐くんだな」そう思った瞬間、意識が途切れた。
目が覚めると和室に蛍光灯のシンプルな部屋だった。畳のにおいが実家を思い出させて懐かしく感じる。
「……大丈夫かい」低く通る男の声だった。上体を起こして目をやると、金髪にオールバック、三十代くらいのサラリーマンに見える。見覚えがあるのは何故だろう。私の記憶違いかもしれない。
「ええ……あの、こんな質問変なんですけど。ここはどこですか?」
最悪の事態を想像しながらも、恐る恐る質問してみた。まさか。
「荒木荘っていうアパートさ」
そのまさかだった。思わず「は……?」なんて間抜けな声を出してしまった。声を上ずらせながら聞く。
「あなたは、、吉良……?」「なぜ私の名前をっ」目の前の男も目を見開く。こっちが驚きたい気分だ。
「WRYY……なんだその女、このDIOへの献上品か?」
奥にあった和室に似合わない西洋風な棺桶が重々しい音を立てて開き。美しい金髪で真っ赤な目をした男が出てきた。DIOだ。やっぱり、ここは私が望みに望んだ荒木荘だ。
おかしい、嬉しいはずなのに怖い。
「おい、大丈夫か君」
顔を青ざめさせていると吉良に心配された。「いえ、大丈夫です。混乱してて……」「騒がしいな」いきなり押入れが開いたかと思えば人が出てきた。ピンク色の髪の毛に模様、網のような服。こいつは間違いなく――「ディアボロ」私の声と吉良の声が被る。
「……スタンド使いか!?」目を見開き、敵意を剥き出しにしたディアボロが私を睨む。
「私はスタンド使いじゃないです。あの、説明させてください」
それから私は、自分が眠ろうとしたら急に気分が悪くなって起きたらこの世界にいたと説明した。
そして私が前いた世界では全員架空のキャラクターだったとも言った。
「信じがたいが……ありえない話じゃないな」DIOが目を細め、興味深そうに呟く。
「変なこともあるもんだな」気だるげにディアボロはこぼし。
「困ったね」少し考えるような口ぶりで伏し目がちには言った。
「あの、暫くこの家に住まわせていただけませんか」
これから戻れるかわからない。ならばこの家に住み馴れるべきだ。
「私は構わないよ」とが言うと、ディアボロも賛成し、DIOは不要になったら糧にすると言う。
「それもまた一興ですね」
私が楽しげに唇を歪めると、不思議なものを見るような目を向けられた。その後ディアボロとDIOはひっそりと笑っていた。
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