無事にペットショップでもスタンプをゲットし、二人してペットショップをでた。心の中でもやもやと何かがわだかまっている。俺は今何をどう考えているのかがわからない。
それでも、少しむず痒い感覚を覚えながら手が自然と動いていた。
「ん」
「ん!?」
左手をミケの前に差し出すと、驚いたようにミケが俺を見た。今更何を驚くことがあるんだろう、と思うが、もう一度ん、と手を差し出した。
「手」
「……繋ぐの?」
「おう。嫌か?」
一拍おいて、ううん! と元気よく頷いたミケが俺の左手をとった。ほんのりとした温もりで包まれる。そういえばミケと手を繋いだのは初めてかもしれない。あんなに一緒にいたのに、こんな簡単なこともまだだったなんて。
「次、どこ行く?」
「魔物ショーじゃね? なんか賑わってっし」
ミケの手を引いて賑わう場所へ歩いていく。照れ臭さも、居心地の悪さもどちらも感じなかった。
「あっ、見てくおりん、スマイルパピー」
ショー会場にたどり着くと異常なほど気持ち悪い笑顔を浮かべた魔物が教師とともに芸を見せていた。人間の手足が犬のような丸い胴体から直接生えている。正直心底気持ち悪い。目の前に討伐対象として出てきたらすぐに殺してしまうだろう。
「あんなん襲ってきたら……ウェ、想像しただけで気持ち悪ぃ」
「あはは、確かに。でもミケは大丈夫!」
「なんで?」
「くおりんが守ってくれるでしょ?」
ドヤ顔のミケが俺を覗き込む。恥ずかしさや嬉しさを隠せないため息をいた。
アイゼンにいた頃はこんなこと全く想像していなかっただろう。ここまで大切な人が現れることも、たった半年でここまで仲良くなれることも。幸せだ。平和なことが当たり前になるなんて。こうして幸せで楽しそうな表情であふれた場所をミケと一緒にいられることが少し、目頭を熱くする。
「くおりん、ミケね」
「ん?」
「……ミケ、すっごい幸せだよぉ」
これだからミケはずるい。繋いだ手に力がこもった。ミケの表情を直視できない。さっきの出来事からずっと俺の心臓が締め付けられるようだった。どうしてこんな風に感情が溢れてしまうのかわからない。ああ、クソ。
「ん、俺も」
えへへ、と笑ったミケが体を左腕に寄せた。魔物ショーのステージの上では先ほどと打って変わって、何かを祝うようにカラフルな体を散らせた不思議な魔物がキラキラと輝いていた。
クオミケ交流祭その5 スタンプラリー:魔物ショー