「クオリアちゃんって、ミケちゃんと仲良いよね」
穏やかな日差しが心地よい昼下がり、庭で日向ぼっこをしているとパルヴィが突然話し始めた。
「なんだいきなり」
「いやぁ、微笑ましいなと思ってね」
「……ああ、まぁ仲はいいな」
改めてそう言われるとなかなか照れるものだ。ただ、仲がいいという言葉だけで片付けられるような思いなのかどうかは自分でも疑問を抱き始めていた。
「お前も仲良いやついるだろ」
「うんたくさん」
「そうじゃねえよ」
俺とミケみたいな、と付け加えようとして思いとどまる。俺とミケはどんな関係だと言いたいんだろう。我ながら笑える。傍から見れば俺とミケもただの友達だ。
「なんかもっとこう、……特別?」
俺の言葉にうーん、とうなり始めたパルヴィの次の言葉を待つ。ゆっくり言葉を選ぶように彼女は口を開いた。
「いろんな特別があるからなぁ」
うまく説明出来ない。パルヴィの言っていることはよくわかるのだ。俺にとって、パルヴィもミケも……特別ではある。特別仲がいい。一緒にいて落ち着く。でも違う。どちらが上、どちらが下かで分けられるようなものでもない。
「ねえクオリアちゃん、誰かのこと言ってる?」
試すようでもなく、ただ純粋な疑問のように彼女は俺の顔をのぞき込んだ。視線を外してあー、とかうー、とか唸る。
「俺が言うことじゃねえしなぁ」
「なんだそりゃ」
例えばパルヴィを廊下で見かけた時。例えば人の少ないところに向かうパルヴィの姿を見た時。例えば商業棟で楽しそうに笑うパルヴィを見た時。その隣にはいつも、同じ人がいるような気がした。
以前模擬戦闘で戦ったことがある奴だ。なよいやつだな、と思っていたが戦ってみるとちゃんと骨のあるやつだった。
俺が決めることでもなんでもないが、俺の特別な友人……パルヴィを任せるには充分な人だろう。
「難しいね」
「……わかれば簡単な事だよな、きっと」
むず痒さを感じて伸びをする。ここで簡単な思いを吐き出すのは、あまりにも難しい。
普段使わない頭を使いすぎて妙に体を動かしたい気分になった。立ち上がってパルヴィを振り返る。
「魔物棟付き合えよ、パルヴィ。体動かそうぜ」
「ええーっ、投げるじゃん、クオリアちゃん」
「投げねえ投げねえ」
渋々と立ち上がったパルヴィの腕を引いて歩き出す。言葉とは裏腹に、その足取りは軽かった。
なんてことない、他愛もない話。
パルヴィ(@utatane_zZ)