一生の宝物


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赤也
名前先輩、服いりません?

名前
は?

赤也
ネットで買った服なんすけど、ちょっと小さかったんすよね…
メンズなんでたぶん名前先輩なら着れると思って

赤也
【黒無地半袖パーカーの写真】

名前
着回し便利そうじゃん
貰っていいの?

赤也
むしろ貰ってください!
そんな高くもないんで!

名前
ちょっと赤也の丈に合わせた写真貰っていい?

赤也
いっすよ
ねーちゃんに頼んでくるんでちょい待っててください

赤也
【服をあてがう写真】

赤也
これでいいすか?
やっぱ俺だとちょっと小さいんすよね

名前
完璧パーペキパーフェクトじゃねーの

赤也
混ぜないでください
結構正反対の二人じゃないすか

名前
突っ込んでくれる赤也まじ天使だね
蓮二とかいつもスルーだよまじあいつどう思う?

赤也
余計なこと言って柳先輩にバレて怒られる未来が見えるんで俺はなんも言いません

名前
チッ

赤也
バラす気満々だったでしょあんた

名前
先輩にあんたってどうかと思うよ
ね、弦ちゃん

赤也


赤也
ちがくて

名前
ガチ焦りで草

赤也
トークの名前んとこ二度見したんでそういう冗談マジでやめてくださいすいませんでした

名前
お前ほんと弄り甲斐があって面白いな

赤也
今までのやりとり全部グループでやってたのかと思って焦ったじゃないすか!!酷いっすよ!!

名前
可愛がってんだって

赤也
可愛がり方の癖が強いんすよ!!!
もっと普通に可愛がってください!!!

名前
赤也はいつも頑張ってて偉いね
赤也なら絶対にもっともっと上にいけるよ
そのままの赤也を忘れずにこれからもテニスを楽しんでね
名前先輩はずっと赤也を応援してるからね

赤也


赤也
ちょ

赤也
あの

名前
ん?

赤也
いや

赤也
ありがとうございます

赤也
すげー嬉しいっす
俺もっともっと頑張ります!
ぜってーあの三人にも勝って、それをしっかり名前先輩にも見せますから!

名前
プリッ

赤也
は???

赤也
え、まって、なんで?

名前
本当に面白い奴じゃのう、赤也

赤也
え?だってこれ名前先輩の名前

赤也
ちょっと待ってくださいなんで俺の友達リストに名前先輩二人いるんすか

赤也
え、本物の名前先輩っすよね?え?仁王先輩?

赤也
なんとか言ってくださいよ!!?

名前
トーク遡れば分かるだろほんとお前可愛いな

赤也
名前先輩嫌い

赤也
いやあの冗談です!!!!

赤也
名前先輩!!
すみませんでした!!
だから返事ください!!!

赤也
名前先輩すげー好きです!!!大好きです!!!

名前
私は赤也のこと大好きなのになぁ
でも、冗談でも嫌いって言われちゃったからなぁ

赤也
本当にすみませんでした
名前先輩まじで大好きです
だから嫌わないでください
すみませんでした

名前
ずっとその素直なままの赤也でいてね

赤也
え?なんすか、どういう事ですか!?

名前
そのままの意味だよ
じゃあまた明日学校でね!
朝練寝坊すんなよ!

赤也
しませんよ!
あ!明日服持っていきます!
あと俺、ほんとに名前先輩のこと大好きですから!!

名前
【手を合わせるスタンプ】

赤也
それどういう意味っすか!?

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次の日、正門が見えてくるのと同時に、そこに立ってそわそわしている赤也の姿があった。
少し焦って思わず時間を確認すれば、今はしっかり私がいつも学校に着く時刻だ。
赤也が私より早くいるなんて珍しい、珍しすぎる、というか皆無に等しい。
この後ゲリラ豪雨か…?なんて思いながらも歩みを進めていれば、私の姿を視界に入れたらしい赤也がこちらに向かって猛ダッシュを決めてきた。


「名前せんぱああああああい!!!」
「え、何どうしたの、私より早いの珍し」
「俺名前先輩のこと大好きッスからぁっ!!」


この子まだ昨日のやりとり引きずってんのかよ…
嫌わないで、大好きッス、と泣きそうな顔で何度も繰り返す赤也。
正直言って顔面が崩壊しそうだからやめてほしい。


「わ、分かった、てか知ってるから。私も赤也が大好きだから。泣くな泣くな。昨日はちょっとからかいすぎたよ、ごめんて」
「ほんとですかぁ…」


赤也はえぐえぐと涙の滲む目を擦りながらも、あとこれぇ…、と紙袋を手渡してくる。
忙しい奴だな…


「服…持ってきたッス…」
「あぁ…ありがとう…」


流石にタダで貰う訳には…と、私も家から持ってきたとある箱を鞄から取り出した。
ほら、と渡せば、赤也は数回瞬きをした後に、え?と私の顔を見つめた。


「赤也このゲーム好きでしょ。UFOキャッチャーで取ったやつなんだけど、私使わないからあげる」


少し前にブン太とジャッカルと一緒にゲーセンに行った時にノリで取った、UFOキャッチャーの景品。
赤也が最近ハマってるゲームのキャラクターをモチーフにしたタンブラーである。


「ま、マジすか!?」
「服には見合わないけど、取るのにギリ4桁円いってるから大目に見てくれ」
「んなの気にしないっスよ!名前先輩から貰ったってのが嬉しいッス!!」


赤也は先程とは打って変わってきらきらと顔を綻ばせ、ありがとうございます!と、大事そうにタンブラーの箱をラケットバッグにしまった。


「お前まじで…そういうとこだぞ…」
「…へ?なんか言いました?」
「いいえ」


へへ、と赤也が照れたように笑い、ずきゅんと心が跳ねる。


「一生の宝物にするッス!」
「………あ、はい…」


名前先輩はその笑顔が一生の宝物です。
あと、昨日送ってくれた服をあてがってる写真もな。





(てかなんで昨日俺の友達リストに名前先輩が二人いたんすか…?)
(もう片方はマジで雅治だよ。赤也からかうから一瞬変えてくれって頼んだら即変えてくれた)
(何してんスかマジで……えっ、俺がやりとりしてたのって本物の名前先輩ッスよね…?)
(……プピーナ)
(え!?まっ、え、)
(ほんと赤也ってからかいがいあるよね)
(ああああもう名前先輩…ッ!!!)



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