タイトルそのまま
信長を兎に角リスペクトしてる審神者(女)とそれに戸惑う長谷部
基本話を聞かない審神者
主命とあらば長谷部
出会い
「そういう男なんですよ、織田信長ってやつは」
「あ、この本丸では信長様のこと呼び捨て禁止だから。様付け必須ね」
「は……？」
「次やったら手討ち(一週間風呂掃除)な。んじゃ、これからよろしく」
ただただ困惑する長谷部
近侍
「家臣の手討ち？ 寺社の焼き討ち？ ご随意にどうぞ」
「おお、信長様っぽくていいな。でもそれらは私の仕事だ。他のことを頼む」
「……いや、あの、これは冗談で」
「そうだな……、謀反をしてくれ。本能寺の変ごっこだ。長谷部が明智役な。私はもちろん信長様役」
「……」
「リアリティを追求するために薬研藤四郎も呼ぼう。監修してもらう」
「……」
「長谷部？」
「……主の命とあらば、謀反であろうとも」
長谷部が泣いている。そろそろ仕事しなくちゃ。
本能寺ごっこ(稽古)
「……敵はっ、本能寺に有り！」
「……んー、どう思う薬研監督？」
「明智光秀感が足りないな」
「やっぱ薬研もそう思うか！ そうなんだよ。なんか、足りないんだよなあ」
「あの男は……もっと変態ぽかった、気がする」
「マジか」
「いや、まてよ。或いは、ムッツリなツッコミ属性だったかもしれねぇ……」
「マジか」
「あ、それと、ヤンデレだ。……大将に見せて貰ったアニメやらゲームやらでちょっとばかし記憶が混ざっちまってるんだが。ま、こんなもんだろ。自信ある」
「なるほど……。聞いてたか、長谷部。明智光秀はムッツリでツッコミ属性のヤンデレ変態だったらしい。次はそんな感じで頼む」
「主命とあらば(あとで覚えてろよ、薬研藤四郎……)」
薬研藤四郎は確信犯です
審神者が信長をリスペクトしてる理由が思ってたのと違った長谷部
「主、今ちょっといいですか？」
「ん、長谷部か。ちょっと待ってくれ。今、信長様を崇め奉ってる最中なんだ」
「分かりました(くそっ……、主の一番はずっとあの男なのか……）」
「おーい、長谷部。もういいぞー」
「主は何故、そんなにも、信長……様を慕うのですか？」
「……それは、私もビックな人になりたいから」
「ビックな人……？」
「そうだ。なぁ、長谷部知ってるか？ 昔、信長様を大層尊敬していた政治家がいたらしくてな。変わり者呼ばわりだったんだが、その人、国の最高権力者にまで上り詰めたんだ。ある意味天下統一、的な？」
「はぁ……」
「私もそんな感じで権力を手にしたい。ゆくゆくは天下掌握だ」
「……」
「それで、政府の上層部の腐った奴らとか、不当な扱いを受けている審神者たちとか、どうにかしたいんだ。時代を変えた信長様を見習っていれば、それも出来そうな気がするんだ」
「……、出来ますよ。信長を見習わずとも、主になら。……俺が、主のために、どんなことでもしますから」
「ん、ありがとう。でも、今、信長様のこと呼び捨てにしたな」
「あ」
「手討ち(一週間風呂掃除)、決定」
「ああああ」