繫がって、絡まる【完】
「くじ引き?へぇ〜。温泉?へぇ〜。で、誰と行くの?」「それはその、清光と」
「あぁ俺ね、俺とね。…えっ!?本気?」
目の前でニコリと笑う主。どうやら政府のおかかえするくじ引きで温泉旅行が当たったらしい。本丸に来てから主と二人きりで出掛けるなんてことあっただろうか?…安定になんて言おうか。――そう考えている時点で俺の心は既に主のものであって、せっかく誘ってくれたその温泉旅行とやらに行く気であった。
散々他の刀剣男士達に羨ましがられたが、主が指名したのは他の誰でもないこの俺である。そんな所にさえ喜びを感じる俺は相当この主に惚れ込んでいると言っても過言ではないだろう。
週末、少し大きめな荷物を抱えて主と二人で温泉旅館へといざなった。
「うわー景色がいいね清光。見てみてほらー」
民宿につくなり部屋に通された俺達は早速そこから見える絶景に思わず頬が緩んだ。
いつも心配ばかりかけている主にこんな風に笑顔になって貰えるのなら、温泉旅行もたまには悪くないな…と思う。大きな窓の冊子に脚をついてベランダに出た主を包み込む様にほんのりと生温い風が吹いた。
ジメジメした梅雨を超え、初夏に入ったこの時期、木々からはそれを象徴させる蝉の鳴き声が聞こえてくる。視線を空に向ければ太陽の光が射し込んで眩しさにほんのりと瞬きを繰り返した。
「清光の赤い爪、綺麗だね」
急に何言ってんの?と主を見ると、爪と言ったくせに視線は俺を捉えていて、ポンと主の柔らかな髪を撫でて微笑んだ。
こんなにゆっくりできるのはそう無い。というかほとんどない。本丸はいつも慌ただしく毎日色んな事が起きる。その度に主は心配したり、喜んだり。こんなに穏やかな時間があるのは喜ばしい事で、俺はとりあえずここから見える景色をカメラに収めた。
「清光、お風呂入らない?」
女将がいなくなって完全に二人きりになった畳の上でお茶を煎れていたら主がそんな言葉を放った。時計を見るとまだ風呂の時間とは程遠い。大風呂は疲れや美肌など色んな薬が入っているようだったから俺も楽しみにしていた。
「早すぎないか?」
「夜もまた入ればいいじゃん?ね、ほら」
ズズっと湯呑に入った緑茶を飲む俺の腕を掴むと主は奥にあるドアを開放した。
次の瞬間、俺の目に飛び込んできたのは露天風呂で…「は?部屋についてるの?ここ、」間違いなく俺と主の部屋の中に設置されている露天風呂に、意味ありげに心拍数があがる。
「そう。ね、景色いいし汗かいちゃったし」
「…まぁいいけど」
◆
ポチャンと湯船を泳ぐ主の白い肌。身体に目一杯タオルを巻き付けている主と向かい合って湯槽に浸かっているけど目線を何処に置けばいいのか分からず遠くの景色ばかりを見てしまう。
誰がこんな展開を想像しただろうか。俺の目の前ではしゃぐ主は不意に俺の腕を掴んだ。正確には俺の指を掴んで一緒に湯船で泳がせる。
「私もたまには同じように爪を塗ればよかったかな」
「…持ってきているから後で塗ってやるよ主」
「本当?嬉しい清光と同じなんて」
無邪気に笑うその笑顔はある意味反則で、俺は繋がっている手を握りしめると主の細い腰に腕をかけて自分の方に引き寄せた。いきなりのことに体制を崩して俺に寄りかかる主を後ろから抱きしめた。
今の今まで元気に話していたというのに主は急に借りてきた猫の様におとなしくなって、小さく「清光?」と問う。
「なに?」
ちょっと意地悪く答えると主が俺の手に上から自分のを重ねた。これはいいって事だろうか?それを確かめる様に俺は主の艶っぽい項にちゅっと口づけを落とす。
「んっ清光…」
途端に甘ったるい声を漏らす主を更に強く抱きしめて俺はそのまま首筋から背中を舌で舐める。ポチャンと水音を鳴らさせて主は「はぁっ」と答えた。それが拒否でないと分かったのは主の手が俺の指と絡まったからで。
「主…」
「清光、止めないで…」
消え入りそうな声だったけれど主の本音に俺はふわりと笑った。そのまま湯船の中で主の身体に巻き付いているタオルを解いて外に置く。同時に自分の腰に巻いていたタオルも外して同じ様に外に置いた。
真っ白で滑らかな肌に指を触れさせる。背中に口づけを落としながら脇の下を通って柔らかな胸の膨らみに手を添える。そのまま湯の中でむにゅりと揉めば主がまた甘く吐息を漏らす。両手で主の胸の尖端を少し強引に摘む。膨らみを存分に揉みしだきながらも俺は項への口づけを深めていく。舌で味わうように項をハムる度に主の胸の尖端が敏感に反応するように硬くなっていくのが分かった。
焦らすように主の項と背中を舐める俺は、胸からするすると手を移動させ、開いた脚の上に座っている主のそこに手を添えた。
「清光…」
なんとも言えない主の色っぽい声に理性なんてとっくに吹っ飛んでいて、俺は後ろから伸ばした手で陰毛を掻き分けて飛騨の奥へと指を滑らせた。
ツプリと挿入された指は主の子宮内に呑み込まれるように吸い付いていく。
「はぁっ清光っもっと…」
「急かさないでよ主っ」
俺から漏れる吐息も最早荒く、湯船に浸かりながらも指を奥まで挿入する。そのまま第一関節を曲げて中を掻き混ぜると主が自ら脚を開いて俺に体重を乗せた。左手では胸を揉みしだき、唇は項と耳を甘噛み。右手は主の子宮内で指で中をぐりぐりと掻き混ぜる度に主から短い吐息が溢れた。ふわりと揺れる陰毛からほんのり顔を出すその突起を親指でなぞるとびくんと主が肩を震わせる。
「あんっそれだめっ…」
「気持ちいいんだろ?」
「んっ清光待ってっ、イッちゃうっ」
艷やかな主の声に、胸を愛撫していた手で顔を後ろに向けて漸くその熱い唇に触れた。口内で舌を絡ませて唾液をじゅるりと吸い上げる。何度も角度を変えて主の口内を堪能しながらも、右手の指は子宮内を掻き混ぜる。高速に指を動かし続けると口づけの途中でも主の口から「ひゃああああんっつ!!」そんな声と共に子宮内がきゅうっと締まって主が色っぽく仰け反ったんだ。肩を大きく揺らせて呼吸を繰り返す主をくるりと反転させて正面から抱きしめる。ゆっくりと背中を撫でると「好き」俺の耳に小さく届く。「俺も好き」同じ様にそう言い返すと「私の方が好き」。いやいやって「俺の方が好きだよ」そう言って口づけると、そのまま濃厚なものに変わって主の腕が俺の首の後ろに回された。熱く火照った主の身体を優しく強く抱きしめながら俺はそのまま覚醒した俺自身の根本を掴んでそこに上から主を埋めていく。湯中での挿入なんて初めてだけど、主の感度が良いのかすぐに甘い吐息を漏らす。ぎゅっと主の背中に腕を回して抱き寄せながら下から子宮の中を突く。
「んっ、きもちいっ清光っ」
「んっ俺もっ。主の中、すげー熱いよ」
耳朶を舌で舐める主の揺れる胸を口に含めば「あああああっ」上を向いて喘いだ。そのまま首筋に吸い付くように舌を絡ませると、そこには小さな痕が残ってそれに目線を移せば気分もあがる。
頭ん中真っ白になりそうなぐらい主の身体を堪能できている今この瞬間が堪らなく愛おしくて最高に幸せだと思える。俺の腕の中で俺の上に乗っかるように抱きついて気持ち良さに身を任せて淫れる主は、俺以外には絶対に見せられない。今ここにいるのは本丸での主ではなく、間違いなくただの女だ。主の柔らかな身体に触れながら自分の絶頂が近づいていくのが分かる。
「主…俺もうっはあっ」
「清光私も…」
頬に纏わりついた主の髪の毛を指で退かすと紅く染めた頬と潤んだ瞳が真っ直ぐに俺を見つめていて、それだけで昇天しそうになる。パシャパシャと水音を鳴らせて水面をこれでもかってぐらいに揺らす。お互いの熱い吐息が混ざり合うかの様、深い口づけを交わした後、主が首を振って「あああああっんんっ!!」びしゃりと勢いよく湯船の中に潮を撒き散らす。その締め付けで俺はクッ…と動きを止めると、主の中に激しく吐精した。
「はぁっ…はぁっ…」
あまりの気持ち良さになのか、主はぽろりと涙を一粒零す。それを舌で拭えばコツンと額をくっつけて「清光が好き」また愛を伝えてくれる。
普段はしっかりした主だけれど、俺の前でだけはいつまでも可愛いい主で居てほしいと願わずにはいられない。
「俺のが好き」
「私!」
「俺!」
「わた、」
くちゅりと言葉を遮るように舌で主の唇を舐めると、散々卑猥なことをした後なのに、口づけ一つで真っ赤になって目を逸らすんだ。なんて可愛いい人なんだと、しょぼくれた俺自身が熱く盛り上がってくるのを密かに感じていた。
