AM11:00


「パリパリ腹立つ!パリっていったいいつ終わるの!?てか来年の選抜の時点で何かがおかしいじゃない!!」

「ぶははははっ!!片岡さんどうしたんですか?なんか腹立つ事でも思い出しました?」



…最近通い始めたトレーニングジム。


もともとナオが通っていたけれど、仕事でそれどころじゃ無くなったから私が代わりに通っていた。


マンツーマンで私に着いてくれてるのはまだ若い八木先生。


大学出てすぐの23歳。


私とは住む世界が違う若者。


八木先生もナオから引き継いだ。



「私って女としての魅力が無いのかなぁ…。」



思わず膝を抱えてそこに顔を埋めると、そっと遠慮がちに八木先生の手が肩に落ちた。



「そんなことないっすよ!直人さんと何かあったんですか?僕聞きますよ!」



ニッコリ微笑むその顔は異国の王子様みたいに綺麗。


ジムのトレーナーで終わっちゃうのは勿体ないくらい綺麗。



「八木先生ぇ…あのね、」



話し出したら止まらなくて。


トレーニングよりもひたすら愚痴ってしまったんだ。


ナオ本人には何一つ言葉にできないのに、こんな赤の他人には素直に言えるなんて私っておかしいの?



「じゃあ直人さんし当分忙しいんですね。ならもっとここ来てくださいよ!思いっきり綺麗になって夢中にさせてやりましょうよ、ね?」



ポンッて私の頭に手を乗せる八木先生に思わずドキリと心音が鳴る。


答えは簡単、単純に八木先生がイケメンだから。



「食生活も改善したかったら僕、いつでも教えるんで、言ってください!」



どこから取り出したのか、名刺が目の前に。


裏には手書きでLINEのIDが書いてある。


ニッコリ微笑まれて「ありがとう!」この日から私のLINEに八木先生のアイコンが増えたんだ。





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