そして何よりーー
「なんでさっきから嬉しそうなんだ、たく」
若干疲れたような伏黒くんが私の頭に顎を乗せてピタッとくっついてそう言う。ちなみに狗巻先輩はもう2年の下駄箱へと消えて行った。まだ少し早いせいか生徒も
「だって、嬉しいんだもん。伏黒くんと付き合えてる事が」
「ばーか。放課後覚えとけよ」
ポスッて大きな手を頭に乗せると伏黒くんはそのままさっさと歩き出してしまう。だから慌てて追いかけて腕に掴まると「…帰り、どっか行くか」なんてお誘い。
それって私と一緒に居たいって事だよね?
「うんっ!」
「じゃ、約束な」
耳朶をパクッて何故か甘噛みされて、ひええええ!!!危うく腰を抜かす所で伏黒くんが私を支えてくれる。今回ばかりは真っ赤な顔は私の方で、そんな私を見てちょっとしてやったりって顔の伏黒くん。もう!!!
「ばか、好きだよ」
悔し紛れに言った言葉に、今度こそ伏黒くんが耳まで真っ赤になった。
「あれ〜?あれあれあれ〜??なぁここってハワイだっけ?なんかすげぇ暑っちいんだけど。よぉ伏黒!アロハ〜!」
騒がしい雑音と共に廊下で話していた私と伏黒くんの真後ろに立ってそんな言葉を発したのは、確か虎杖くん。ピンクヘアーで派手な真っ赤なパーカーを学ランの下に着ている。
途端に伏黒くんの目が大きく見開く。私を後ろ手で隠すように背中に入れるものの、虎杖くんがひょこっと顔を覗かせてニッて笑うんだ。
「苗字名前?」
そして名前を呼ばれたから「うん」コクリと頷くと同時「名前!」伏黒くんのちょっとだけ大きな声が届いた。
「え?なに?ダメだった?」
「…いやダメ…っつーか、」
「なんだぁ伏黒!お前名前ちゃんと付き合えたんなら報告しろよ!友達だろ俺ら。そーかそーかよかった。あんなに大好きだったもんなぁ、伏黒ぉ!」
虎杖くんの言葉に伏黒くんを見上げるとさっきより真っ赤っかで。
「そう、なの?」
「虎杖てめぇ殺すぞ」
「知りたい?」
完全に伏黒くんの言葉を無視して私に微笑む虎杖くんに思いっきり首を縦に振った。
そんなの、知りたいに決まってる!
伏黒くんが小さく舌打ちしたけど、私は虎杖くんを期待の目で見つめた。