秘密の空間

「キツっ、」

暗闇の中、服の擦れる音と耳元に甘く篭った声が届く。ドクドクと心拍数と自分の吐息があがってゆく。
金色のサラサラな髪が私の頬を掠めるとすぐに唇を塞がれて声が遮断される。それでも微かな隙間から盛れる甘い声に逆上せそうになる。

「名前、足もうちょいあげられる?」
「ンッ、」

壁に背を付けて膝の裏を抱える彼に甘く囁かれてM字に開いた足をもう少し上に上げた。それと同時に子宮の中にググっと奥まで挿入りこむソレにまた身体の中に快感が走る。

「アルミン、きもちぃッ、」
「うん、僕もッ、名前の中、すごい熱いよッ。」
「んッ、アルミン、キスして、」
「こっち向いて、」

首に腕を回してキスをせがむとちゃんと舌を絡めてくれるアルミンの下半身の動きがいっそう速さを増す。
狭いこの場所で律動を繰り返すアルミンが目を細めて私の肩に顔を埋める。そんなアルミンの背中をギュッと抱きしめると「名前ッ、イきそうっ、」果てるのを我慢しているアルミンの声は掠れていてなんとも言い難い。私はこの声が好き。
ギュッと私を抱きしめるというよりは、私に抱きついたアルミンは、次の瞬間「クッ、」小さく鳴いて私の中に欲望を吐き出した。肩を震わすアルミンを抱きしめる私に、息を吐き出して私の中から出て行くアルミンはまだ息が上がっている。

「また僕だけ先にイッちゃってごめんね、名前。もう1回する?あ、僕手でしようか?」
「うん。手でして?」
「了解。」

私を壁に押し当てたままアルミンの指が太ももを捉えてそれから遠慮がちに私の子宮に挿入りこんだ。
途端に身体にピンと快感が立ち込める。

「ンッ、アルミンッ、きもちぃっ、」
「もう一本指入れるね?」
「んう、奥触ってッ」
「…こう?」
「んうっ、もっと、」

スカイブルーの大きな瞳を私に向けたアルミンは高揚した顔で私の子宮を指でかき混ぜる。二人の吐息に混ざって耳に入る水音に心拍数も上昇。
アルミンが私の耳朶を口に含んで舌で舐めとると、いっそう身体の奥に快感が走った。
クイっとアルミンの指が手前の突起をなぞると更に身体の中に快感が突き抜けて、その大きな波が一気に押し寄せてくるような感覚になる。
あぁ、イキそう。それを伝えたくアルミンの肩に顔を埋め込んで「アルミン、」小さく名前を呼ぶとアルミンが指の速さを増して動かしていく。
耳に響く甘く卑猥な水音と自分たちの吐息が反響してこの狭い空間が妙にイヤらしさを増す。

ねぇアルミン、もっと早く、

「名前ッ」

アルミンのくぐもった声と奥をかき混ぜる指が最奥を擦った瞬間、身体がビクビクと震えた。
数秒震えた後、大きく息を吐き出した私は肩を揺らして呼吸を繰り返す。
ブルーアイがどうだった?って顔で私を見つめている。

「きもちかったよ、アルミン。」
「よかったぁ。僕だけ気持ちよくなってたらどうしようって思ってたから、名前もそうでよかった。でもごめんね、また先に果てちゃって。」

ギュッと私を抱きしめるアルミンの細い身体は、前から見ればしっかりとオトコで、私はその腕に抱きしめられてしばし幸せを感じる。

「アルミンってなんでこんないい匂いがするの?男のくせに。」
「え?ちょっと名前、そんな嗅がれると恥ずかしいよ。それに、匂いなら僕なんかより名前のがずっと甘くてそそるんだよねぇ。」

そそるなんて言葉、童顔のアルミンから聞けるのは今の所私だけに違いない。可愛い顔してヤることヤッてるアルミンを知っている女は、この世に私だけなんだという優越感があった。
この行為を抜きにしたならばアルミンは至って可愛い新入社員。そして私はただの同期。

アルミンとこんな関係になったのは、数ヶ月前のコンペの打ち上げの時だった。
お酒に弱いアルミンが先輩にめちゃくちゃ飲まされていとも簡単に潰れたのを介抱したのがきっかけだった。
とてもじゃないけど家に連れて帰れそうもなかったから近くにあったラブホに2人で入った時に、この関係が始まった。
先輩達に散々童貞をからかわれたアルミンがちょっと不憫で…

「童貞捨てたい?」

なんて聞いたら泣きながら小さく頷いたんだっけ。そんなアルミンが単純に可愛くて私はそのままギュッとアルミンを抱きしめた。

でも思うーーこれは残念ながら恋ではない。