初顔合わせ

「それでは、第27期生徒会役員会議を執り行う。まずは年間の行事だが、」

「硬ぇなぁ煉獄。もっと崩してこーぜぇ」

キメツ学園の生徒会室では、先日行われた選挙にて見事当選した6人の生徒会役員達が顔を揃えていた。
生徒会長の煉獄杏寿郎の言葉を止めたのは、会計の宇髄天元。学生だというのにいつも派手なクリスタルのついたバンダナを巻いていて、専ら制服なのか私服なのか分からない微妙な線のパーカーを羽織っている。派手好きな天元は大きな身体を斜めにして杏寿郎の方を向くと首を横に振った。

「宇髄、崩すとはどのような事だろうか。俺はそんなに硬いだろうか」

大きな声でハキハキと答える杏寿郎に宇髄は苦笑いで「いや続けてくれ」諦め半分でそう言う。

キメツ学園高等部2年で結成されたこの生徒会。
3年はもはや早々に引退し、それを引き継ぐこととなったのがこの2年で結成された生徒会6名だった。
生徒会長の煉獄杏寿郎。副会長の新城ゆきみ。
書記の行沢奈々。同じく書記の冨岡義勇。
そして、会計の宇髄天元と、不死川実弥。この6名が第27期生徒会役員に抜擢された。
お祭りごとの好きな目立ちたがり屋なだけではないこの6名の出会いこそが、青春の一ページの始まりと言っても過言ではない。

「ただの体育祭なんてみんな不参加でしょう。それなら後夜祭にダンパつけようよ!そんで告白大会!!盛り上がると思わない?」

6月に行われる体育祭について話し合っている時だった。参加率の悪い体育祭をどうにか盛り上げたいという議題でゆきみが机に身を乗り出してそんな提案を掲げる。

「面白そうだな、それ!おう新城、お前ナイスアイデア!」

パチンと指を鳴らして笑う天元にゆきみは得意気に微笑む。その場で指をキュッと握り再度口を開いた。

「朝来る時に校門で男女別れて1枚ずつ紙を渡されるの。それは一つの絵になっていて。その日1日でツガイの相手を探すの。そして、後夜祭でそのペアの人とダンス。からの〜告白!みんなさ、頑張ると思わない?いいとこ見せてやろう!って。カッコイイとこ見せて告白しよう!って」

「なんか、でき過ぎたシナリオだなァ」

実弥がペンをくるくると回しながら夢見る少女なゆきみを鼻でフッと笑う。だけれど、書記の奈々はそんなゆきみの脳内を容易に理解していて。

「ゆきみそれ、天ない!」

「バレたか。だって一度やってみたかったんだもん!ねぇいいでしょ?会長!お願い!」

胸の前で両手をギュッと握りしめてゆきみが懇願する。流行りの少女漫画の一コマだというそれをゆきみはどうしてもやりたかった。

「正直俺にはその手のことは疎いのだが、宇髄はどうだ?」

「俺は賛成!派手にペア決めしよーぜ」

「好きな相手がペアになったらラッキーもんかァ」

「不死川、好きな女がいるのか?」

「うるせぇ冨岡。てめぇには関係ねぇ」

実弥と義勇はどうにも反りが合わないらしくいつもこうして減らず口を叩いている。最も義勇の方は実弥を含めたみんなと仲良くしたいという気はある様だが、実弥だけは毎度それを拒んでいる。

「ふふ。仲良いね、2人」

奈々の言葉に思いっきり舌打ちを飛ばす実弥と眉毛を下げる義勇。なにはともあれ、この6名の生徒会役員によって、本年度のキメツ学園の行事は大いに盛り上がることになる。