幸せタイム*後編

(※夢主視点です)

ケンちゃんはわたしの事をちゃんと考えてくれようとしていて、連絡しろ!って言われたけどケンちゃんからメールも着信もくれている。それなのにチキンなわたしはそれに答える事ができなくて。さっきから手中でブルブルとバイヴ音を鳴らしている携帯を握りしめたままだ。

「どーしよう」

椅子の上、膝を抱えてそこに顔を埋めるわたし以外、この図書室には誰もいない。独りになりたい時はここはめちゃくちゃ穴場で、こうして時々図書室を占領してボーッとする時間を過ごしていた。

【どこにいる】
【捜しに行くからな】
【会う気になったらでいい、連絡しろ】
【俺は、名前に会いてぇ】

もうダメだ。携帯画面がボヤっとしているのはわたしの目に涙が溜まっているからで。こんなわたしの事を捜してくれているケンちゃんを、わたしに会いたいと思ってくれるケンちゃんに、わたしが逢いたいくて堪らない。

何度目かの着信が携帯を揺らす。一つ大きく息を吐き出したわたしは、「ケンちゃん…」小さく名前を呼ぶと、【名前…会いてぇよ…顔、見せろよ…】ケンちゃんらしからぬ言葉に嬉しさも笑いも通り越して、涙が溢れた。

「わたしも、逢いたい…」

震える声でそう言って、図書室に居ることを告げた。




ガラッと音がして図書室のドアが開く。待ち人来る…逢いたかったケンちゃんが走ってきてくれたのか肩を大きく揺らして呼吸を整えている。ドアを閉めるとゆっくりとこちらに向かって歩いてくるケンちゃんに、わたしは立ち上がるとそのまま真っ直ぐケンちゃんの腕に飛び込んだ。

「ごめんねっ、ケンちゃんッ!」

すっぽりと大きな身体でわたしを包んでくれる。元から小柄な方ではないものの、ケンちゃんからしたらわたしも小さく映っているのがちょっと嬉しい。守られてるって感じで。

「ごめんなさい、わたし…シカトしてて、」

ケンちゃんの胸に顔を押し付けながらもごもごとそう言うと、フッて頭上でケンちゃんが笑った声がして、顔を上に向けると、いきなり目の前にケンちゃんのドアップ。間髪入れずにそのままケンちゃんの唇がヌルりと重なった。目を閉じてケンちゃんの舌に自分のを絡ませると、ますますキスが深くなる。身体を片手で持ち上げるケンちゃんは、わたしを図書室のテーブルの上に座らせてまたキスを続ける。前に愛莉がめちゃくちゃ唇腫れてんの?ってぐらい真っ赤にさせてきた事があって、それどうしたの?ってみんなで聞いたら「場地くんとキスしてたらこうなっちゃって…」なんて恥ずかしそうに言っていたけれど、わたしも同じように唇が腫れて真っ赤になるぐらいキスされたいと思ってしまう。それを伝えたくてもケンちゃんの舌が止まることなく口内を舐めあさっているからハァッと熱い吐息を漏らす事しかできなくて。唇をハムるケンちゃんの身体に手を添えて、下半身のそこに手を当てると、ほんのり硬くなっている。

「名前待て、」
「え?」
「いやいい。好きにしろよ」

コツンとケンちゃんがおデコをくっ付けてわたしを抱きしめた。ケンちゃんの胸にまたすっぽりと埋まっているわたしはぐりぐりと顔を離して長身のケンちゃんを見上げた。

「ケンちゃんあの、ほんとにごめんね」
「あ?なにがだ」
「色々、全部。…ゆき乃達になんか聞いたよね?」
「名前がマイキーに妬いてるって事か?それとも、毎日キスしてぇって事か?それとも、毎日セックスしてぇって事か?」
「!!!そこまで言ってないよ、たぶん…」
「なら言わせて貰うが、俺は毎日名前を抱きてぇ。トーマンやってる時もマイキーの面倒見てる時も正直楽しい。野郎たちと馬鹿やるのはいくら時間があっても足りねぇと思う。けど、一日の終わりに考えるのはいつも名前、お前の事だ。で、名前を抱きてぇと毎晩思っちまう。そーゆうの今まで言ったことなかったな。悪かったよ」

鼻の頭にちゅっとキスを落とすケンちゃんにトクンと胸が高鳴る。さっきまで馬鹿みたいに悩んでいた事が全部スーッと消えて無くなっていくのが分かった。そんな言葉一つでわたしの心はこれ程までに軽くなるのか?と思うと、あんなに悩んでいたのが残念に思えるけれど、それでもわたしの気持ちにケンちゃんが答えてくれた事が嬉しくて堪らない。
わたしまだ自分の気持ちちゃんと伝えてない。ちゃんと言いたい、ケンちゃんに。今なら素直に言えそうな気がする。

「ケンちゃんは悪くないよ。悪いのはわたし。勝手にね、比べちゃってたの。ゆき乃や愛莉やあいくと。いつも幸せそうでラブラブな3人が羨ましいって。自分に自信がなくて…ケンちゃんはわたしが好きで付き合ってくれてるのかも分からなくなっちゃって。だからわたしが少しでもケンちゃんの癪に障るような事言ったら嫌われちゃうかもって。それが怖くて何も言えなくて、ケンちゃんの気持ちも聞けなくて…それなのに一丁前に嫉妬ばっかりして、マイキー嫌いになりそうで、羨ましくて。でも違うって分かった。みんなはみんなで、わたし達はわたし達だって。ケンちゃんわたし、もっといっぱい一緒に居たいの。手繋いでデートもしたいし、ケンちゃんにギュッてされたり、キスもその先も…もっといっぱいしたい…ワガママだよね?こんなわたし、」

チラリと視線を向けるとケンちゃんは優しく微笑んでいる。わたしの頭に大きな手を乗っけて「んなの、ワガママでもなんでもねぇよ。愛情表現の一環だろ。そーゆーのは、もっと言ってくれていい」ふわりと髪を撫でてくれる大きな手と、優しい瞳。

「ほんと?」
「あぁ。つか名前、言ったからには毎日抱かせろよ」
「…毎日はちょっと、」
「てめぇ、自分の発言に責任持てや」
「だって急にそんな!でも…もっとしたい、いっぱいしたい…」
「ったりめーだ」

クイッと顎に添えられていた指で顔を上に向かされたわたしは、ケンちゃんの瞳に安心して目を閉じた。そのままテーブルの上に寝かされてケンちゃんが覆いかぶさってきた。両脚広げて着いてる間にわたしを挟んでケンちゃんの手が制服を器用に緩めていく。前だけを全部開いた状態でブラのホックを片手で簡単に外しちゃうケンちゃんをちょっとだけ憎たらしいと思うけど、ブラをあげて成長途中のわたしの胸にちゅうっと吸い付いた。

「名前またデカくなった?」
「え?胸?」
「おー。んか、この前よりでけぇ気がする…」
「実はワンサイズアップしたの、」
「やっぱそうか」
「大きい方が好き?」
「いや。俺はこれが好き。大きさとか形とかどーでもいい。名前のが好きだ」

言いながら照れているのかちょっと目を逸らすケンちゃんのコメカミにいる龍にそっと触れる。ケンちゃんはそのまま胸の突起を舌で絡ませているからすごく心地よくてわたしもケンちゃんのコメカミの龍にチュッと口付ける。ほんの一瞬止まったケンちゃんは、チラリと視線をこちらに向けて「もっと舐めろよ」なんて言う。だからわたしは頭を少しあげて、ケンちゃんの龍を舌でペロリと舐めていく。気持ちいいのかケンちゃんは時々肩をビクンと震わせていて。その度に胸の突起を甘噛みするからわたしも「ハァッ」声が漏れる。
忘れそうになったけどここは学校の図書室だ。穴場で人気がないというけれど、だからと言って誰も来ない訳では無い。こんな場所で最後まで致して大丈夫なのか不安になるものの、身体の心地良さがあまりにも快感で今更止めることなんてできそうもない。だからなるべく声を出さないようにって手で口を抑えるけど、自然と漏れてしまう。

「脚広げんぞ」

漸くケンちゃんの舌が胸から外れたと思ったらそう言われて、体勢を崩したわたしの脚をM字に開かせると無言で下着を片脚だけ抜いた。こんな明るいところでそんな見られる事もないからめちゃくちゃ恥ずかしくて…それだけでも泣きそうなのに、ケンちゃんはわたしの隠れた突起を指でクリっと引き出すとそこに舌を絡めた。レロレロと舌で何度も刺激を与えるから腰が動いちゃって…声も抑えられなくて手の隙間からくぐもった音が漏れる。息を飲み込むようにゆっくりと吐き出すも、ケンちゃんの舌が突起をちゅうっと吸い上げるから途端に身体が昇天しかけた。

「アアアアアアッンンンっ!!!」

ビクンと腰を浮かせた途端に舌を外して、登りかけていた快感がふわっと流れていく。それでも心地良さは半端なくて、ポロリと涙が零れた。

「お前、すぐイキそうになるよな〜」

何故か楽しそうに笑っているケンちゃんは、指で子宮の奥をクチュリと啄いていて、それがまた気持ちいい。

「すげーよマン汁。そんなに俺が欲しかった?」

ケンちゃんらしからぬ言葉責めにコクリと頷くとクッと喉を鳴らして笑った。そのまま顔をそこに埋めるように舌を子宮の中に入れ込むと、ズズズッと溢れているそれを吸い上げた。また身体の中を快感の渦がつき上がる。
ダンとテーブルに手をついてギリリとそこに爪を立てるわたしの指にケンちゃんの骨ばった指が絡まったんだ。
ギュッとそれを握りしめるわたしのそこにまた舌を入れ込むケンちゃん。ジュルジュルと吸い上げては中の壁を舌で舐める愛撫に脚がガクガク震えているのが分かった。手前の飛騨を唇でハムって甘く噛みつかれてまた快感が走る。舌を奥まで差し込んで中をかき混ぜるように舐めとるケンちゃんの舌裁きにわたしの呼吸も激しく乱れてきて、「ンッ、イッちゃう」喘ぎ声の間に言ったわたしの言葉にケンちゃんの舌が高速で動き回る。そんなに弄ったらダメ!!イッちゃうよっ、声にならない声が漏れて、わたしは子宮の中をビクビクと震わせた。おまけで脚も同じように震わせると、ケンちゃんが手の甲で濡れた口元を拭って私の下半身から身体を起こした。そして続けた言葉に心臓が最高潮ドクンと爆音を鳴らす。

「名前もう限界だ」

スラックスを下に下ろしたケンちゃんは、CKパンツを脱ぐとぴょこんと反り立つケンちゃん自身に、用意周到とでも言うべきか、きっちりとゴムを装着した。そのまま着ていたカーディガンを脱ぐと、私の背中の下に引いてくれる。

「身体痛くねぇ?大丈夫?」
「うん、ありがとう。大丈夫だよ」
「そっか。じゃ挿れんな」
「うん」

入口にケンちゃんのを当てるとそのままツプッと中に挿入してきた。ゆっくりと最奥まで到達すると、一度息を吐き出してわたしをギュッと抱きしめる。

「名前…お前が好きだ。これからも俺の事だけ見てろよ」

そんな嬉しい言葉、言われなくともわたしはケンちゃんしか見ないよ。でも嬉しくて泣きそうなのを我慢するようにただコクリと頷くと、唇飲まれそうなキスをくれた。そのままゆっくりと腰を動かし始めたケンちゃんの大きな身体にギュッとしがみつく。ユサユサと揺れる身体で律動を刻んでいく幸せな時間。
こんなエロスな時間が大切で、愛おしくて、それを刻める相手が居るということが、奇跡なんじゃないかって思う。同じ気持ちを共有できる相手がいてこそのこの幸せタイムだって事を、わたしの身体に刻みつけるかのように、ケンちゃんは荒々しく呼吸をして律動を早めていく。汗が滴り落ちるフェイスラインがあまりに綺麗で見蕩れる。切れ長の瞳も、薄い唇も、なにもかもが大好き。脚をケンちゃんの腰に巻き付けると接合部分がより引き締まって絶頂が近づいてくる。

「ヤベェな、イキそ…」

そんな言葉にケンちゃんを見つめるとほんのり眉間に皺を寄せていて、わたしはこの顔がたまらなく好き。ケンちゃんにこんな顔をさせられるのはわたしだけでありたい。これから先もずっと。そして、ケンちゃんのこの顔を見ていられるのも、この先わたし一人だけでありたいよ。

「好き、堅が好き」

小さく呼ぶと、潤んだ瞳で笑ってくれる。グッと腰を掴まれて律動を早めるケンちゃんに、ケンちゃんの絶頂ももう間近なんだと。

「一緒に行こ」
「あぁっ」

ギュッと指を絡めてケンちゃんを見つめるわたしは、ポタリとケンちゃんの顎から落ちた汗が唇に触れた瞬間、ビクビクビク…と、子宮内を震わせた。あまりに気持ちよくて悲鳴に似た声をあげたかもしれないけど、定かじゃない。

「キッツ、…イクッ、」

うって、ケンちゃんは小さく鳴いた後、律動を止めて一点集中するように目を閉じてゴムの中に欲を吐き出した。だらんとテーブルに手を着くケンちゃんは、ハァハァと肩で呼吸を繰り返す。火照った頬に手を添えると、わたしの背中に腕をかけて抱き起こしてくれて、そのまままたキスをくれる。気持ちよかったね…って見つめあってまた舌を絡めるケンちゃんにわたしはギュッと抱きついた。

「名前さ、もう独りで抱え込まねぇで、どんな小せぇことでもいいから俺に言えよ。お前の事ぐらいいくらでも受け止める覚悟はとっくにできてっから俺。な?」
「うん。ケンちゃんずるい、かっこよすぎる」
「ばーか、それに惚れたのは名前だろ。ちゃんと最後まで責任もてよ」
「うんっ」

誰もいない放課後の図書室。そこはこの日からわたしとケンちゃんの秘密の部屋になるのであった。
そしてわたしは、この日以来、ケンちゃんとラブラブだって胸を張ってみんなに言えるようになった。
勇気を持って想いを言葉にした先には、幸せな時間が沢山待っているんだと。



-fin-



SPECIAL THANKS LOVE 杏珠♡