幸せ世界一


「待って、待って、待ってっ!」


…私に顔を埋めていた勇征が笑いながら顔を上げた。ペロリと舌で自身の唇を舐めるその仕草すらズルい。


「雪乃さん?俺まだ指しか入れてないよ?」
「イヤ。勇征の指って何者!?」


私の言葉を聞いている今でさえ舌は胸の突起を縁どっていて、それすら気分も何もかもあがる。赤みを帯びた潤っている唇に、何度となく甘噛みされる私の身体を、それでも優しく触れる勇征にこの数分でビビるぐらい惹かれてしまう。


「何者!?え?どういう意味?」


顔を上げて体勢を上にずらした勇征はギュッと私を軽く抱きしめた。


「気持ちいい。勇征の触るところ全部!」


こんなのシラフじゃ無理だよー。起き上がった私は普段そんなに飲むことのない缶ビールを開けるとそれをごくごくと飲み込んだ。

思いっきり目を見開く勇征の上に乗っかると、すぐに腰に腕を回される。


「どうしたの?ビール飲むっけ?」
「飲まない、でもどんどん勇征が好きになっちゃうから、」
「なにそれ、ずりー。じゃあ後は俺にちょうだい?」
「ンンッ、」


飲んでる途中で勇征がそれを手で取り上げるなり私の後頭部を捕まえてジュルリと唇を重ねる。同時にニュルリと舌が入り込んでまだ残っていたビールを吸い取っていく。

ゴクリと飲み込むと私の唇から余ったビールがほんのり垂れ落ちて、それを勇征の舌が厭らしく舐めとった。

ダメだ、キュンとする。泣きそうなくらい胸が掴まれて勇征から離れたくない。ラッコ座りで勇征の上に乗ったままギュッと頭を抱えると「どうしたの?」って勇征の言葉。無言で更に抱きしめると、「雪乃さん?好きだよ。」柔らかい勇征の声が届いた。


「…私も好き。」
「ふは。もっと言って。」
「もう言えない、恥ずかしくて。」
「なんで?ダメ言って、」
「イヤ。」
「ダメ、言わなきゃ抱いてあげないよ?」
「意地悪。」
「だって聞きたいもん俺。雪乃さんからの愛してる。」


やばい、勝手にハードル上げた!思わず勇征を見るとニンマリしてやったりな顔。確信犯じゃん!


「いーじゃん俺しかいないんだから。今更照れるのも可愛いけど、もっと色んな雪乃さんが俺は見たい。」
「…勇征…」
「俺…あなたに愛されたい。めちゃくちゃ愛されたいの、」


普通はこーいう時は、男が愛してるって言うのに…まぁでもなんか勇征らしいというか。

銀髪に指を差し込むと小さく笑う。キスしてってアヒル口を私に向けるからそれを指で摘む。

ムーってしけた視線を飛ばす勇征も何もかも好きで…ギュッと抱きしめながら勇征の開いた口に舌を入れ込んだ。途端に背中をギュッとホールドされて身体の芯から熱くなるのが分かる。

チュッて唇を離して勇征の頬に、鼻に、目に、キスを落とす。目を瞑る勇征の耳元にふわりと唇を寄せて「愛してる…。」小さく言うとパチっと目を開けた。


「…俺も、めちゃくちゃ愛してる…。」


ちょっとハスキーな勇征の声。照れると早口になる勇征の愛してる。どうしようもなく胸が高鳴って想いが溢れて泣きそうになった。

今以上に幸せだと思える日がこの先くるのかなんて分からない。でも今だけは世界中の誰より幸せを感じていたい…――――――



((げ、こんなデカいの挿いらないっ!!))

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