お揃い


その日は三代目の直人さんとGUがコラボする商品が届いて、事務所内はわんさかしていた。

太っ腹な直人さんは全部好きなの持ってっていいよ!って、ファンタにも声をかけてくれて、会議室に大量にあるそれをメンバーは意気揚々と選びに行った。

スタッフの私たちにも気遣ってくれて。


「かっこいいなーこれ。」


なんてボヤきながらみんなそれぞれ気に入ったのを手にしていた。

シンプルな白いTシャツを手にしていると隣に歩いて来た勇征。


「お揃いだね。」
「え?」


見ると、勇征も同じTシャツを手に持っている。


「白、可愛いよね?」
「うん。勇征は黒かと思った。」


私服は黒を好んで着る事の多い勇征だからまさか白を手に取るなんて思ってもみなくて。


「黒に合わせるから白。それと、」


長身だからか、屈んで私の耳に口を寄せた勇征に、何故かちょっとドキッとする。


「雪乃さんとお揃いがよかったから。」


ニッてアヒル口をする勇征はほんの気持ち程度、私の腰を抱く。

ちょ、ちょ、なに!?

見上げるもアヒル口でとぼけた顔してるだけで。だから勇征の腕を掴んだ瞬間、


「俺今日パンツ履いてないの。」


なんだって!?

完全にぶっ倒れそうな私の腰を片手で支える勇征にこの世のモノとは思えないぐらいのドキドキが押し寄せて。―――続く勇征の言葉に思考が止まった気がしたんだ。




「雪乃さんって、酔うとキス魔でしょ?」


―――へ?


「え、私なんか、した!?」


思わず口元を手で覆う私に一歩近づく勇征。


「酷いなぁ忘れるとか。」


意味不明な言葉を発する勇征から一歩離れようとするも、片手で抑えられていて何故か動けない。


「言っとくけど、誘ったの雪乃さんだから。スイッチ入れたのは雪乃さん。今更冗談なんて聞かないからね!」


クシャって私の髪を撫でると、勇征は飄々とした顔でゆっくりと私を離した。

振り返った勇征はニッコリピースで一言。


「これ、一緒に着ようね!」


何でか釘付けになるそのアヒル口に、私ってば触れたの!?



((…待って待って、ちゅーしたの!?マジで!?てか、ノーパン!?))