玲於くんのターミナルを見てプッと笑った。
Jr.EXILEと呼ばれる若手の子達で今年は色んなイベントが準備されている。だからか、別グループの子達が集まる場も多く、そうなるとグループの垣根を越えてSNSを発信する度にファンがざわついているのが分かった。
サングラスを三つもかけてこっちを見ている勇征の口元はやっぱりなアヒル口で…そんな勇征をジッと見つめてしまっていた私の隣、大樹がニンマリと微笑んで椅子に座った。
「雪乃ちゃんって、顔に出て隠せないタイプでしょ?」
わりと普段からスキンシップの多い大樹に、こうして肩を抱かれる事は日常茶判事。だからそんなの馴れっこでこれと言ってどうってこともないんだけど。
「…え?」
なんのこと?って大樹を見ると、楽しそうに微笑んで更に耳に口を寄せた。
「さっきからず〜っと視線が勇征にいっちゃってるけど?」
「…!!!!嘘、やだ。」
羞恥心で顔を隠すと、頭を抱え込まれて「可愛い――――!!」って抱きすくめられる。
でもだからすぐに黎弥が「ちょっと大樹くん!何雪乃抱きしめてんすか!」さり気なく黎弥が剥がすけど、私の視線は当たり前に勇征に飛んでいて。
超絶真顔でこっちを見てる勇征と目が合った。
ドクンと心臓がうごめく。
「あ、…用事思い出した!じゃ!」
立ち上がって逃げようとドアまで小走りでいくと、それを塞ぐようになっちゃんがドンと手を着いた。
「なんか焦ってない?」
顔を覗き込まれて顎をクイってされる。至近距離になっちゃんのドアップがきて心臓バックバク。
だけど次の瞬間、「トイレ…。」ボソッと言って私の横を通り過ぎた勇征。
ねぇ怒ってる!?そんな低い声出さないでよ。
「なっちゃん離して。」
まるで勇征を追いかけるようにフロアを出た。
「勇征!」
小さく声をかけると、振り返った勇征は私の手首を掴んで男子トイレの中に連れ込んだ。運良く誰もいなくて、そのまま個室に閉じ込められる。
「なんか、妬ける。みんな雪乃さんに構ってて、」
ムゥってアヒル口を尖らせる勇征がどうしようとなく可愛くて。迷うことなく顔を寄せる勇征の口に指を当てて止めてみる。
「さすがにトイレでは、」
いくら綺麗に清掃されているとはいえ、ここはトイレ。誰かが来たらそれこそまずいし。
「…うん。そうだよね、うん。分かってる。」
仕方なくカタンと鍵を開けた勇征は耳を澄ませてドアを開けるも、すぐに戻ってきてシーって人差し指を立てた。
「…おいエロ眼鏡、とりあえず他にバレんなよ!?」
大樹の声に苦笑い。
「すいません。」
勇征の声が小さくトイレに響くと「たく。」呆れた声と共に大樹の気配がなくなった。だから今だ!って個室から出ようとしたら勇征に抱きすくめられて、「大樹くんにも触らせない、」さっき大樹が近づいた耳朶を甘噛みされて子宮の奥がキュンと疼いたなんて――――
((そのサングラス、勇征がかけるとエロ眼鏡になる。))