嘘と本気の間


目の前にあるのは真剣な慧人くんの表情。瞬き一つせずに私の言葉を待っている。


「あの…」

「うん」

「大樹先輩とは別になにも…」

「ほんとに?」

「うん、ほんと」

「ならよかった!これからもずっと俺のゆき乃ちゃんでいろよな!」


ポスっと手が離れて頭を撫でた。満足気な顔で残りのアイスを口に入れる慧人くんは、「ばーか冗談だよ」って言わない。いつもいつも肝心なところでそう言って私をどん底に突き落とすのに。そうやって楽しんでるのに、言わないの?私って慧人くんのもの?


「減ってないじゃん、食わないの?俺にちょうだい?」

「…いいよ、あげる」


慧人くんのせいで食べるのが恥ずかしくなったなんて、言えない。なんてことないって顔でわざわざ私の手からスプーンを奪ってそれでパクつく慧人くんは、


「間接キスじゃん!」


当たり前のことを言って楽しそうに笑っている。無邪気に笑うその笑顔の下の本音が知りたい。
慧人くん、慧人くん…私のことすき?声に出して言えたらいいのに。慧人くんの声で、慧人くんの言葉でその台詞を言ってくれたいいのに…そう思わずにはいられない。