今日は仕事が早く終わったから…って、先に帰ってご飯作って待ってるね!
なんて澤くんからのLINEを見て思わず頬が緩んだ。
友人の紹介で知り合って、意気投合するのにそれほど時間はかからなかった。
紳士に見える外見とは裏腹に意外と澤くんはマイペースでヤンチャで面白い。でもやっぱり芯はしっかりしていて、年下だけど頼りになる人だった。
そして、趣味も特技も料理。私は澤くんのパスタが大好物で、できればそれを作る工程から見たいわけで。
だから物凄い驚異のスピードで私も仕事を終わらせて帰ると、ちょうどエプロンを付けてパスタを茹でているところだった。
「あれ?早いね。お帰り、ユヅキちゃん。」
私を見てニッコリ微笑む澤くんに近づいていって、腕をちょこっと掴むとこっちに顔を寄せた。
チュッてリップ音を立ててお帰りのキスをすると、照れたように鼻をすする。
本当はもっともっといっぱいキスしたいけどとりあえずはこれで我慢。
「着替えてくるね!」
「うん。」
寝室に入るとベッドの上に置かれた私の部屋着は綺麗に洗濯されていてアイロンまでかかってる。そんじょそこらの主婦より主婦してる澤くんにやっぱり頬が緩んだ。
急いで着替えてキッチンに戻るとまた澤くんがニッコリ微笑んだんだ。
「カルボナーラと、明太子と、ボロネーゼ、どれがいい?」
「うんとー、」
ギュッて後ろから抱き着いて「夏輝。」背中に顔を埋めてそう言った。ふはって笑うと澤くんが肩越しに振り返る。
「俺がいいの?」
「うん。」
「味付けは?」
「何もいらない。」
「まだダメ。パスタ伸びたら美味くないもん。離れてくれないとキスしたくなっちゃうよ、ユヅキちゃん。」
ちぇーって、唇を尖らせると面白可笑しいって顔で、くしゃっと前髪を撫でたんだ。
それからずーっと黙って澤くんの作る料理を眺めていた。正確には澤くんの顔ばっかりを。
小一時間かけてパスタを作り上げた澤くんは、これまた綺麗に着飾ってそれをリビングのテーブルに運ぶ。
ソファーの前のガラスのテーブルにシャンパンと一緒に運んでくれた澤くんは、おもむろにエプロンを外すとコツっておデコをくっつけた。
「早く食べて欲しくて最後適当になっちゃったよ、ちゃんと全部味わってよ?」
うんとも、すんとも言えないぐらいに激しく唇を塞がれた。
ヤバい今日はオス全開夏輝だ!!なんて内心喜びつつも、澤くんの首に腕をかけて唇を甘く噛むと味見したのかカルボナーラの味がして…
「夏輝…、」
小さく名前を呼ぶとそのままソファーに押し倒された。そっと目を閉じるとカルボナーラより美味しいキスがまた落ちてきた…。
冷めないうちに召し上がれ!