Story 1
U-17 W杯中学生代表が決まり、代表合宿もますます士気が高まってきた。世界との戦いのため、代表になれなかった仲間のため、それぞれがそれぞれの思いを抱え決戦のその日を見つめ、残りの練習に精を出している。
目指すものはただ一つ。W杯優勝
「 世界一 」
ただそれだけ
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中学生代表が決まり高校生も決戦への意識がさらに高まってきた。それはマネージャーの名前も同じ。より一層マネージャー業に力を入れる。タオルやドリンクの準備、スコア付けなど一般的なマネージャー業はもちろん、各選手へのアンテナもしっかり張っている
この日の気温は19℃。比較的過ごしやすい気温ではあるがこの合宿所は山奥。体感温度は実際の気温より低い中、中学生代表選手達は汗をかきながら試合形式の練習に励んでいる。休むことなく練習を続ける彼らをみて名前は声をかける。
「みんなー。練習に一生懸命なのはいいことだけど汗で身体冷やさないように気をつけてよ?」
その声にちょうどベンチにいた西のルーキー 遠山金太郎が名前に抱きつくという名のタックルをしながら答える
「ぐふっ!?」
「姉ちゃん心配性やなぁ。大丈夫やって!!!みんな元気や!!!ワイはもっと元気やけどな!!!!!」
その声を聞き、同じくベンチにいた白石蔵ノ介が
「こら、金ちゃん!名前ちゃん潰れてまうやろ!!心配してくれてるんや。そんなこと言わんでちゃんと言うこと聞き。名前ちゃん、すまんなぁ。大丈夫か?」
「ははっ…平気だよ。元気なのはいいことだからね。金ちゃん、元気なのはいいことだけど汗はちゃんと拭くんだよ?風邪ひいたら大変だから」
「だーいじょうぶや!!ワイ風邪ひかへんもん!!」
「ならいいんだけど(笑)」
名前は金太郎を弟のようだと思い頭を撫でる。タックルされた身体は少々痛むがこのキラキラな眼差しで見つめられると多少は仕方ないと思ってしまうのだ。
「……あっ。わたしそろそろ一回高校生のほう行ってくるね。白石くんあとお願いできる?タオルとドリンクは各ベンチに置いてあるし、スコアは柳くんと乾くんがつけてくれてるから心配ないと思う。他にアイシングとか必要になったらクーラボックスに氷入ってるし、あとは.....」
「そない気にせんでも大丈夫やで、名前ちゃん。名前ちゃんの動き見てたからだいたいどこに何があるかわかっとるで(笑)俺らも自分たちのことは自分たちでできるし、はよ高校生のほう行かな(笑)種ヶ島先輩あたりがたぶん拗ねとるやろ」
「ありがとう。拗ねてはいないと思うけど(笑)じゃああとお願いね。」
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「名前〜!!!!遅いで〜!名前のこと待ちすぎて干からびそうや」
高校生の練習コートにやってきた名前を誰よりも早く見つけたのは先ほど白石に拗ねていると予想されたNo.2 種ヶ島修二
どうやら白石の予想通り見当たらない名前を探し、見つからず、あげく拗ねて練習もせず観客席に寝そべっていたらしい。
「修二さん遅くなってごめんね。中学生が熱心に練習してたから目が離せなくて」
「俺も一生懸命練習してたっちゅうねん」
「お前は俺たちの練習みてただけだし」
「あ、竜次さんお疲れ様」
名前にくっつく種ヶ島の嘘を指摘するのはNo.6 大曲竜次
「おう、お疲れ。種ヶ島、お前も早く練習しろし。」
「え〜俺名前が応援してくれへんと頑張れへん」
「我が儘言うなし……。名前こいつ早くコートに入れてくれ」
「はいはい(笑)ほら、修二さん!竜次さん困ってるでしょ。早く行って。ここでみてるから。」
「ちゃ〜い…☆名前に言われたら仕方ないな〜。練習せななぁ」
そう言って種ヶ島はコートへ入っていく。どうやらシングルスの試合をするらしい。種ヶ島の相手はNo.7 君島育斗だ。
「言われなくてもやれし…。名前悪いな。」
「いいえ。修二さんにはよくあることだから(笑)竜次さんも練習頑張って!」
「おう。サンキューな。」
大曲も名前の頭をぐしゃぐしゃと撫でて種ヶ島の後を追っていった。その大曲と入れ違いで名前の元にやってきたのはNo.9 越知月光とNo.10 毛利寿三郎。
「…………。」
「お〜。名前やっと来たんか〜。待っとったで。(ぎゅ〜)」
「つきくんお疲れ様。じゅさくん、暑い、離れて。はい、タオル。ダブルスしてたの?」
「いや、シングルスだ。」
「え、ふたりが?珍しいね。W杯は中学生とも組むだろうしいろんなペアで試すためにかな」
「ああ。今回はいつものペアで戦えるわけではないからな。シングルスで出ることはほぼないと思うが練習は必要だ」
「ツキさんとシングルスはやりずらぁてしゃあーないわ」
「今中学生達みてきたけどみんな気合い入ってたよ。つきくんと組むことになる子もいるかもね」
「うむ。誰であってもさして問題はない。」
越知のその言葉を聞きどこか安心した名前がコートに目を戻すと、ちょうど種ヶ島のマッチポイント。タオルとドリンクを用意しこの後走って自分の元へ来るであろう姿を思い浮かべ苦笑いをしながら種ヶ島を迎え入れる準備を始めた
ーーーーーーー今年も 世界との戦いが始まる