Story 7
種ヶ島、毛利との試合が終わり、夕飯までの時間をどう過ごすか3人とも考えていた。元々午後は自主練だったため3人は試合をすることしか考えていなかった
「さてと、この後どうします?」
「どうしようかねぇ〜夕飯まで時間あるしとりあえず汗かいたままいるの嫌だから部屋に戻ろうかな」
「毛利、俺とちょっと打たんか?」
「え、修さんとっすか?俺またボッコボコにされるん嫌ですよ」
「いいじゃん、じゅさくん。W杯は厳しい戦いになるだろうし鳳凰くんにボコボコにされたり、あつくんに処刑されるより修二さんに相手になってもらった方が練習になると思うよ」
「そうやけどぉ〜…」
「よし!決まりやな。毛利、コートに入り」
「じゃ、わたし戻るね。2人ともほどほどにね」
「ちゃ〜い☆」
「名前飯は一緒やからな!!約束やで!!」
「わかってるよ(笑)」
「おい、毛利。俺に負けたらその約束はなしや」
「えっ!!!なんで!?なんで修さんが決めんねん!約束したん俺ですよ!?」
そんな会話を聞きながら名前はコートを後にする
「(相変わらず大型犬だなぁ)」
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部屋でシャワーを浴びた名前は髪を乾かすのが面倒だったのか赤みがかった綺麗なロングヘアーをバレッタでひとくくりにしベッドに座り携帯をいじっていたら一件の連絡が
“名前さん、お時間ありますか?新色のチークをお持ちしたのですが、試してみませんか?”
“使いたい!!!いっくん最高!いっくんの部屋行くね!”
“喜んでいただけて何よりです。名前さんの部屋付近にいますので私が伺います”
“ありがと!鍵開けとくから入ってきてね!”
“了解しました”
君島からの思わぬ誘いに二つ返事で了承した名前。が、気づく
「(やばい、シャワー入ったばっかりだからすっぴんだし髪乾かしてない…っ!怒られる!)」
髪を乾かさず合宿所内をうろつく名前を君島がみつけ廊下で説教、その後君島の部屋に連行され君島に髪を乾かされるという姿がこの合宿所でよく見られる光景なのだ。すっぴんは仕方ないとして怒られることだけはなんとか避けたい名前はブロー中を装う…が、一足遅かった
コンコン、ガチャ
「名前さん、お待たせしました」
「……いっくん、早くない…?」
「名前さんに元々渡そうと思っていたものですから。それで?その左手に持っているドライヤーは?なんで髪が濡れているんですか?乾きかけているところがありますがまさかまた乾かさずにいた、なんてことないですよね…?」
「いや、その………。ごめんなさい」
「はぁ。全く。いつも言っていますよね?乾かさずにいるとダメージの原因ですし何より風邪を引いてしまいます。あなたは自覚がないんですか」
「今日はちょっとめんどくさくて…」
「今日は?今日も、ですよね。本当にあなたは自覚がない。ほら、まずはブローしますよ。こっちに来てください。チークはそれからです」
「はい、すみません…。お願いします…」
なんとも言いがたい威圧感のある君島の言い方に名前は負け大人しくドライヤーを渡し乾かしてもらう、よく見る光景が君島の部屋ではなく名前の部屋で行われた
「おぉ………さすが芸能人 君島育斗だね…。いつも以上に髪がつやつやだよ…」
「男性でも気を遣わなくてはいけませんからね。身だしなみに気を遣うのは常識です。いつも言っているでしょう」
「わかってはいるんだけどね〜お肌は気にするんだけど髪ってトリートメントちゃんとしとけば大丈夫かなって思っちゃうの。どうせ練習も試合も束ねちゃうでしょ?下ろしてることの方が少ないから多少傷んでもいいやって最近思っちゃってさ」
「まぁ、名前さんの髪は持ち主に似て頑丈ですからね。こんなにずぼらな管理でここまで綺麗な状態を保っているのが不思議でたまりません」
「めっちゃ貶されたけど、それはいっくんがくれたトリートメントのおかげだよっ☆」
「種ヶ島くんみたいな言い方をしないでください。チークいらないんですか」
「いる!!ごめんなさい!!」
チークを使うため下地とファンデーションを用意していたとき、ふと君島が名前に近寄った
「ん?どしたの?」
「いえ、相変わらず綺麗な肌だなと思いまして」
名前の肌を触る君島。名前は擽ったそうにするが抵抗はしない。むしろ恥ずかしがりもしない。君島を信用しているからこそ、こうして部屋で異性と2人きりにもなり近づいてきてもなにも疑わない。信用している人間に対して警戒心という概念を持たない。それが名前のいいところであり、周りに心配をかける大きな要因だ
「いっくんにもらった化粧水と乳液使ってるからね〜パックももらったしさすが芸能人の使うもの!って感じ」
「気に入っていただけてるならよかったです。またプレゼントさせてください」
「いつもごめんね、ありがとう」
「いえ。それで、チークはどうですか?」
「めっちゃいい!発色綺麗だし不自然な色じゃないしめっちゃいい!!え、これほんとにもらっていいの?」
「えぇ。名前のために持ってきたものですし、僕が持っていても使い道がないですからね」
「ひゃ〜いっくんさすが!よっ!イケメン!」
「やめてください。それより、せっかく使ったんですからメイクしてレストランに行ってはいかがですか?夕飯まだですよね?」
「うん!そうする!じゅさくんびっくりするかな〜」
てっきり種ヶ島に見せるものだと思っていた君島は首をかしげた
「…?種ヶ島くんではないのですか?」
「お昼に隣に座れなかったから夜はじゅさくんが隣に座って食べるって約束したんだ」
「なるほど。それなら早く行って見せてあげた方が良いですね。名前さんはそのままメイクをしてください。へアセットは私がしますが良いですか?」
「え!してくれるの!?嬉しい!」
「交渉成立ですね。さぁ、急ぎますよ」
「はーい」
名前は服こそジャージだが久しぶりのお洒落に喜び、君島はどれほどの人間が名前に魅せられるかを考え、ただ夕飯を食べに行くだけなのに気合いを入れ手を進めた